21世紀ラジオ (Radio@21)

何かと気になって仕方のないこと (@R21ADIO)

2009-01-01から1年間の記事一覧

象使いはシノポリが好きだろうか

1978年に、「風の歌を聴け」でデビューした村上春樹に、ぼくはすぐに夢中になった。当時大学生だったぼくは、その短く、Crispyな文体とその洒落た固有名詞と、その教訓的なフレーズにひきつけれた。とにかく夢中だった。そういった当初の熱狂は、薄れ、彼が…

「ハルキ・ムラカミと言葉の音楽」を読んでいる

1Q84を読んだからというのでもないのだが、村上春樹に関係した本や、村上春樹の昔の本を読みなおすようになった。村上春樹の文体というのは魔力のようなものがあって、読んでいるうちに、文体が憑依してきて、彼の文体に乗っかって、何かを表現したくなって…

僕はこんな村上春樹の短編が好きだった

1Q84をめぐって、多くの人々がいろんなことを語りはじめている。作品について語るということを自分でやってみると、どこか、子供の頃の何かを何かで置き換えていく遊びに似ているような気がしてならない。ある物語を、理解するということが、何か、自分が理…

最近はPodcastよりは文庫本

新しいメディアが登場すると、人間のライフスタイルがどう変化するかは、当初はなかなか想像しにくい。大体において、限られた情報と想像力に基づいた話なので、大したことが思い浮かばなくても当然かもしれない。ただ、何年か経ってみると、びっくりするほ…

アーレントの「活動」、そして大塚英志と東浩紀

大塚英志と東浩紀の「リアルのゆくえ」という対談集を読んだ。大塚さんの村上春樹論が面白かったので、その延長で、昔買って、書棚の隅に置きっぱなしになっていた、彼の、ストーリーメーカーやら、この対談集やら、引っ張り出して来て、週末読みふけった。…

村上春樹 目じるしのない悪夢

村上春樹が、オウム事件に直面して、尋常ならざる集中力で書きあげた「アンダーワールド」というノンフィクション作品がある。事件に出遭った人々への無数のインタビューによって構成されている。その「アンダーワールド」の最後に、彼は、「目じるしのない…

1Q84はスターウォーズ

青山の国連大学の裏の方にある、青山ブックショップにいつものようにふらっとはいったら、店員が販売用の特設テーブルを忙しそうに設営していた。村上春樹の新作らしかった。1Q84という不思議なタイトルの本が2冊、店頭に並べられ始めた。店内放送で、本日よ…

マイクロソフト夏の陣?クロームOS大戦争

ツイッターは、ニュースメディアやブログスフィアで時々刻々生まれるコンテンツをリアルタイムでフィードしてくる。毎朝起きると、そそくさとメールの確認をすると、ツイッターを開くことが習慣になった。Twittoratiなどというツイッターとブログのトップサ…

OS戦争、ただブログが書き続けられさえすれば

グーグルが自社ブログで、新しい携帯デバイスとして、拡大が見込まれている低価格のネットブックPC用のOSとして、グーグルクロームOSの開発を開始すると発表した。テクノロジー関連のブログスフィアでは、一斉に今後のグーグル対マイクロソフトの一騎打ちの…

ハリウッド版「実録フェイスブック」なんて見たいかなあ

フェイスブックのクリス・ヒューズのことを調べている。今は、ボストンで、ベンチャーキャピタルのentrepreneur in residenceという立場になっているらしい。これは、プライベートエクイティだとかベンチャーキャピタルが、CEO、CTO候補などを囲う面白いやり…

フェイスブックとオバマ大統領

ブログの過去のアーカイブを眺めていたら、フェイスブックの創業者の一人が、オバマ候補のSNS戦略を指揮しているというウォールストリートジャーナルの記事が目にとまった。2007年5月27日という日付も懐かしい。オバマ旋風の中核のところに、SNSがあるという…

マルコム・グラッドウェルがクリス・アンダーソンのFREEの書評を書いている

ロングテールの著者クリス・アンダーソンが、Freeという新しい本を出版したというニュースがツイッターや、そこここで語られ始めた。洋書を置いている本屋に行ってみようかなと思った。最近、洋書をすんなりと、アマゾンで買わなくなり、必ず、本屋で自分の…

グーグルと広告代理店、昨日の敵は、今日の友、明日はどっちだ

「想定範囲内の」動きではあるが、インターネット企業と既存勢力の合従連衡(あるいは野合?)が始まった。敵味方が、手を携えなければならないほど、今回の共同の敵(世界同時不況)は手強いということなのかもしれない。ただ、これが永久平和になるという…

ニコニコ動画は、スポーツ観戦を救えるか

今年のMLBはつまらない。イチローは絶好調だが、松坂も上原も故障者リスト入りだし、松井もヤンキーズであまり必要とされなくなったようで淋しい。最近は、深夜のプレミアリーグ今年のベストマッチのような番組を毎回録画して、ウィニングイレブンとからめて…

クックパッドは上場するらしい

クックパッドが株式公開するかどうかは知らないがと、昨日のブログを書き終えた数分後、グーグルの検索結果の中にクックパッドIPOという記事が見つかった。それほど、株式市場というものへの関心がなくなっているのかとしみじみ思った。そういうことが、決し…

クックパッドあるいは、グーグルの補完財戦略という信憑

西新宿に、コクーンタワーというちょっと目を引く新しいビルがある。東京モード学院という会社の拠点があるらしい。北京オリンピックの鳥の巣ほど、悪趣味かつ無責任じゃない感じだが、ちょっとそのざらざらとしたテキスチャーに触れたくなるような建物だ。…

巨大データセンターの裏側 その4

世界中のデータセンターは今、年間スウェーデン1国より多くのエネルギーを消費している。そして必要エネルギー量は、いまも成長し続けていると、ローレンス・バークレー全米研究所の科学者であるJonathan Koomeyは言う。2000年から2005年まで、データセンタ…

巨大データセンターの裏側 その3

データセンターは昔から日の当たらない存在だったわけじゃない。1960年代には、巨大なメインフレームコンピューターはIBM本社に堂々と置かれていた。「温室というニックネームのコンピュータ室は、役員室の近くにあった。経営者たちは、自分の会社がこういっ…

巨大データセンターの裏側 その2

http://www.nytimes.com/2009/06/14/magazine/14search-t.html?_r=1&ref=internet&pagewanted=allクラウドの内側ワシントン州Tukwilaにあるマイクロソフトのデータセンターは、ベージュ色の箱型の地味な建物の中にある。当時マイクロソフトのデータセンター…

巨大データセンターの裏側 その1

クラウドコンピューティングの裏側の真実は、データセンターにある。そんなことをいつも考えていたら、ニューヨークタイムスに、マイクロソフトのデータセンターツアーを行ったTom Vanderbiltの「Datacenter Overload」というちょっと長めのコラムが載った。…

リンクドイン;企業は社員の越境をどこまで許せるのか

西村博之さんは、日本語のSNSが既存の日本語圏だけをターゲットにするのならば、成長機会は2000万人程度が天井なのだから、株式を公開して、無限の成長プレッシャーを受けることは、健全な経営という観点からは、きわめて面白くないことになるというロジ…

ツイッターの時価総額は1.6兆円?

金融危機の特徴は、それまで当然のように依拠してきた価格評価の仕組み(valuation)が、いかに多くの前提に基づいた、ある意味,砂上の楼閣であったが一度に明らかになる点にある。それは、金融工学という新しい学問の中で次々と作りだされたデリバティブの…

僕はマニュアルが苦手

父親は、機械好きで、新しいカメラやファックスやワープロを買うと、早速、マーカー片手にマニュアルを書斎でじっくりとみるタイプだった。僕はマニュアルをじっくり読むというのがダメでとにかく無理やり使ってしまう方で、子供のころは良く父親に説教され…

Tim Berners-Leeの魔法の大冒険

インターネットの歴史がそれほど長くはないとしても、やはり、時には、その起源だとか創世記が気になるものだ。今、グーグルのエバンジェリストになったVinton Cerfが、Tim Berners-Leeのインターネットの短い歴史の中で果たした大きな役割について、小さな…

ブラックベリー中毒

外国人や、海外で生活している友人の中にブラックベリー中毒がものすごく多くなった。ドコモのiモードという類似した機能の先行機種の存在と、僕が海外を拠点とした活動をしなくなったこともあってか、その意味に対してあまり敏感になれなかった。ツイッター…

マイスペース海外の大リストラを発表

ツイッターのTechcrunchからのフィードに、マイスペースのレイオフの話が載っていた。古臭い言葉で、使うのも照れるが本当にdog yearなんだと今更ながらに思う。Leena Raoという人の短い記事。http://www.techcrunch.com/2009/06/23/myspace-layoffs-coming-…

ツイッターは僕の朝刊

東京は朝から強い雨が降っている。一両日、湿度の強い暑さが突如やってきたので、いつもだったら、うんざりしてしまう朝からの雨も、それほど嫌じゃない。窓から入ってくる涼しさが気持ちいい。真夏のかんかん照りの時の水撒きのような感じとでもいうか。朝…

ツイッターの資金事情

ニコニコ動画の経営状況などを読んだので、ちょっとそっちの方向で神経が先鋭になったと思ったら、ツイッターのフィードの中に、ツイッターは、今年、スタバと、ホールフーズからの収入を目標にしているというブルムバーグの短い記事があった。http://www.bl…

ニコニコ動画を黒字にしない理由

グーグルに依存しない、日本的サイトの2チャンネルの管理人として、有名な西村博之さんの2冊目の本を読んだ。「僕が2ちゃんねるを捨てた理由、ネットビジネス現実論」 ひろゆき(西村博之)(扶桑社新書)2チャンネルというと、炎上とか祭りだとか、ネットの…

Jonathan Zittrain なぜPCが重要か

ジットレンは、自分のブログで、PCの重要さというコラムを載せている。 http://futureoftheinternet.org/why-the-pc-matters 今回の、イランでの反政府運動におけるインターネットメディアの活用についての海外メディアが注目していない極めて重要な点がある…