21世紀ラジオ (Radio@21)

何かと気になって仕方のないこと (@R21ADIO)

2015-01-01から1年間の記事一覧

沖縄のこと:原田マハ「太陽の棘」

一日中、小雨が降る、内省的にならざるを得ない日曜日だった。 原田マハの絵画小説が読みたいと思った。近くの図書館の書棚で、「太陽の棘」を見つけた。表紙の絵が印象的だった。 Amazon.co.jp: 太陽の棘(とげ): 原田 マハ: 本 日本の敗戦後3年の1948年。…

印象派の周辺:原田マハ「ジヴェルニーの食卓」(集英社文庫)

西洋絵画、特にフランスの印象派の画家たちへの日本人の愛情は深い。彼らが日本の芸術というものに示してくれた高い敬意のせいもある。 絵画芸術と言えば、僕が、最初に思い浮かぶのは印象派の画家たちだ。 画家たちの生涯を語る文章は多い。 しかし原田マハ…

Radio 21:イノベーションが足りないと嘆く前に(Motley Fool)

アメリカにモトリーフールという投資用情報サイトがある。金融特に、インターネットの投資に対する力、Crowdの強さを示した先駆者の一つである。 今でも、基本的に自分たちで考えて投資をするというスタンスを続けていることに深い尊敬の念を抱く。 そのモト…

宗教の時間:宮沢賢治 間身体性としての慈悲

見田宗介さんの「宮沢賢治」を読みかえしていたら、こんな一節があった。宮沢賢治の気質のようなものに対する友達の記憶である。 Amazon.co.jp: 宮沢賢治―存在の祭りの中へ (岩波現代文庫―文芸): 見田 宗介: 本 「小学校のころの賢治のともだちの回想によれ…

宗教の時間:色は空と異ならず、空は色と異ならず(一法庵)

歩きながら、一法庵の法話を聴くことが多い。それ自体が僕にとってのWalking Meditationになっている。 般若心経の章句を手がかりにした今回の「青空としてのわたし」の説明は、再び、実践としてのニッパーナへと漸近していく深みがあった。 聴きながら歩く…

政治の時間:沖縄戦とは何か

沖縄ということを、自分としてどう考えればいいのか。 ユンカーマンのドキュメンタリーが語り掛けているメッセージで自分の気持ちのど真ん中に伝わってきたことがある。

映画の時間:「沖縄 うりずんの雨」 沖縄という不都合な真実

神保町の岩波ホールの、決して座りやすいとは言えない座席で、決して短いとは言えない148分という時間、僕は、スクリーン上で語り続けられる戦中、戦後における沖縄の人々に降りかかった受難の歴史に声を失った。 日本人である自分が、明かされる戦後史の中…

政治の時間:Why I can't forgive Dylann Roof (Roxane Gay)

チャールストンの黒人教会で起こった白人中心主義者の若者によるテロ行為についての米国メディアの興奮はいまだ冷めない。 新聞、ニュース、ポッドキャストなどで、被害者家族が発したForgivenessについて多くの言葉が費やされている。チャールストンの奇跡…

Radio 21:ギリシア危機とチャールストンの奇跡

週末は、じっくりと新聞を読むというのが紙の新聞の頃からの習慣だ。 紙ではなく、タブレットやPCに変わったぐらいだ。 自宅であれ、近所の行きつけのカフェであれい、コーヒーは不可欠だ。 今週末は重苦しいニュースが目についた。 デフォルト危機に晒され…

音楽の時間:ストリーミングサービスの勝者は?

AWAをしばらく使っている。 SpotifyやApple Musicなどと比べると曲数には限界があるんだろうが、それほどマニアックな音楽ファンでもないので、自分でPlaylistを使いながら、結構楽しんでいる。 久しぶりに音楽自体への関心が戻ってきた。しかし再び、人生の…

Radio 21:梅雨に憂い、梅雨に憩う

東京も、本格的な梅雨時に入った。 真冬には、早く暖かさが戻るのを思い、梅雨時になると、纏いつくような湿気から解放されるなら、灼熱の夏の日差しがましだと思い、熱帯夜には、夜が心地よい晩夏を待ち望む。 手放しで気持ちのいい日々は、本当に、1年でも…

Radio 21:吉田秋生「海街diary」若草物語のように

是枝裕和監督の「海街diary」を観た。

映画の時間:海街diary;鎌倉ー内閉する小宇宙

鎌倉という街は、日本中のどこの街とも同じように、世界中で起こっているすべてのことに繋がっている。それはあたりまえのことだ。 しかし、鎌倉という街には、その街の中に閉じようとするミクロコスモスの志向性がある。 特に、映像に描かれる時に、鎌倉と…

惑星の時間:人生のピーク Irwin Shaw ”Eighty Yard Run"

何年、何十年か置きに繰り返し読みたくなる本がある。 Gay Talese, Raymond ChandlerそしてIrwin Shaw. 時々に、翻訳であったりオリジナルの英語であったり。 そんな中でも、アーウィン・ショーは、僕にとっては特別な作家だ。

本とポッドキャスト:「街の人生」と「How to be a girl」が教えてくれること

LGBTの領域でのアメリカでの最近の盛り上がりは凄い。 Amazon CAPTCHA LGBT - Wikipedia アップルのCEOのTim Cookのカミングアウト、元オリンピック金メダリストで人気俳優のBruce JennerのTransgender告白と、女性の姿で、タイムの表紙に登場したこと等。 …

Podcast:Mario Mack 私の娘はTransgender!

シングルマザーであるMario Mackが、Transgenderの娘の子育てに奮闘する How to be a girlというポッドキャストが素晴らしかった。 自分たちの心やその拡大したものである社会の隅々にまで組み込まれた「あたりまえ」のものの中から落ちこぼれてしまう真実(…

Radio@21;Audiosear.chの革新性!

Medium, Twitterや、Nick Quahのポッドキャストニュースレターなど経由で、聴きたいPodcast Showは僕のiPhoneのNative Podcastアプリの中に溢れかえっている。 供給に何の問題もない。しかし需要側の僕のListening能力は一朝一夕には進化しないので、未聴取…

Radio@21:ペットサウンズのメーキング?素敵じゃないか!

ビーチボーイズの素敵じゃないか(Wouldn't it be a nice)を、AWAで聴きながら、ウェブサーフィング(もう古臭い言葉になっているんだろうなという恐怖を感じながら、他になっていっていいかわからずに相変わらず使っている。)をしていたら、 Brian Wilson…

映画;「ダライラマ14世」:ダライラマの笑い声が聴こえる

渋谷のユーロスペースのスクリーンで観た、ダライラマの豪快な笑いがいまだに頭のどこかに残っている。 どこまでも、大らかで、天に突き抜けるような明るい笑い声。 ダライラマ14世の写真を撮った薄井大還さんという写真家とその息子の薄井一議さんが企画し…

映画:「アデル、ブルーは熱い色」 

映画における特異な性描写を続けざまに二度見ることになった。 一つ目は、コトバの欠落した中で、機械と機械が摩擦音を落とすような若者の性交を描いた「The Tribe」 エロスというようところからはほど遠い無機的な軋みが発散していた。 二つ目は、ポルノ映…

Radio@21:AWAでJason MrazとMichael Franksを聴き比べ

全仏の錦織の中継があったもので、変な時間に寝起きを繰り返したわりには、結局、早起きしてしまった。 フルセットの熱戦の間中、寝たり起きたりを繰り返す合間に、話題の日本版SpotifyのAWAをいじっていた。 AWA - 音楽配信アプリ 無料3か月。日本のコンテ…

Podcast:パブリックメディアの覚悟が本当のポッドキャスト新時代を開く

クオリティの高い、ラジオ番組、ポッドキャストが日本語でも潤沢に聴くことができるようになるにはどうすればいいのかという問題意識で、日々、Mediumなどを眺めている。 1周遅れどころでは済まない感がある日米のポッドキャスト事情だが、その歴史と構造を…

Radio@21:断片的なもののPodcastが聴きたい

岸政彦さんの「断片的なものの社会学」をまた拾い読みしていた。 彼の「語り」に魅かれるのは、僕が、今、英語のポッドキャストに魅かれるのと似ているような気がする。 Amazon.co.jp: 断片的なものの社会学: 岸 政彦: 本 しかし「語り」に渇えているからと…

Radio@21 週末は小野リサを聴いて、昼寝をしたり、読書をしたり

20年くらい前になるんだろうか。 週末にはボサノバばかり聴いている時期があった。 それも小野リサ。 www.youtube.com 今は大人になった子供たちと、久しぶりにドライブした時に、彼らが口を揃えて、ボサノバを聴くと週末のイメージが強いと言った。 そんな…

読書の時間:岸政彦 断片的なものの社会学

読んだ本のことについて何かを書くというのは何のためなんだろう。 僕は、学者でもないし、プロの文筆家でもない。 僕が、誰の本を読んだか、それをどう評価するかを期待されているわけでもない。 それにもかかわらず、読んだ本のことについて何かを書きたく…

映画:ザ・トライブ 沈黙あるいは現前する暴力 

渋谷のUplinkという小さな映画館で、The Tribeを観た。 そもそもSign Languageがテーマなどということで単純に済まされるような映画ではなかった。 セリフも字幕も音楽もない。 映画『ザ・トライブ』オフィシャルサイト 時折、聴こえる聾唖者以外の登場人物…

Radio@21;Sony ChrisのChris Craftを聴いた

早朝だけは、ちょっとだけ過ごしやすかったが、すぐに湿気が上がってきた気がする。 東京は今日も暑そうだ。 昨日はSign Lanugageのことが気になって仕方がなかった。 その余韻で、今日は、昼から、衝撃のSign Langage MovieのThe Tribeを観に行くことにした…

惑星の時間:Sign Language as dance 言葉が舞う

手話のラップや、久しぶりに、酒井法子の「蒼いうさぎ」を聴いていたら、手話についてのパーソナルな記憶が蘇ってきた。 10年前にこんなコラムを書いたことがある。 言いたいのはSign Languageがそれ自体アートだということだ。 これは10年たっても変わらな…

サッカー:Blatter会長はサバイバルのプロ!?(Simon Kuper)

FIFAの腐敗捜査が日々大々的に報じられる。さすがに、Blatter会長もこれまでかと思いたくもなるが、実は、そんなにことは簡単ではないというのが、長年、サッカーといえば、僕が頼る最大のReference PointであるSimon Kuperが何を言っているのかを読んでみた…

Radio@21 :Smartphone-centric life!?

朝起きると、スマートフォンを見る。 新しく作ったツイッターアカウントのタイムライン。 エミネムのラップを手話で表現しているパフォーマンスがあったので、英語と日本語の両方でツイートした。 http://t.co/wsFWtOGJ7u 手話のラップ。 素晴らしいパフォー…