21世紀ラジオ (Radio@21)

何かと気になって仕方のないこと (@R21ADIO)

2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

経済論戦のすすめ

日経のG20についての報道の書き方を見ていて、気になったことがある。財政対策で、欧米に置き去りにされる日本というようなかきっぷりだ。ものごとはそんなに簡単だろうか。財政緊縮策をめぐっては、時期早尚論も含めて、議論奔出というところだろう。欧州の…

日本VSアヤックス若手育成アカデミーDe Toekomst

昨日は、夜、対オランダ戦のお茶の間観戦。自分は弱いことを、認識した上で、強者に一泡吹かせようという、弱者のサッカーに徹していたのが、清々しかった。平均的に弱いということと、その試合の勝敗というのは必ずしも一緒じゃない。そこが、サッカーの面…

クルーグマン 時代はめっきり30年代

クルーグマンがニューヨークタイムスに「気分はまるで30年代」と、世界中に広がる時期早尚な、緊縮(Austerity)ブームに警鐘をならしている。特に、ユーロの中核にいながら、ユーロというものの構造的意味を理解しようとしない、あるいは理解しようとしても…

それでもGoldが好き

日経新聞を読んでいたら貴金属ETFが東証に上場するという記事が載っていた。「金やプラチナ(白金)の1キロの延べ板と交換可能な上場投資信託(ETF)」が7月に上場するらしい。地金投資に似た安心感を持たせたのが工夫だとか。商社(委託者)が金市場から現…

ユーロ危機の全容

BISが発表したレポートが、ユーロ危機のミクロ分析を可能にしつつあるというニューヨークタイムスのJack Ewingによる記事。債務の重荷がドイツとフランスにのしかかる http://www.nytimes.com/2010/06/14/business/global/14eurobank.html?ref=global-home&p…

クレッグ英副首相 財政再建について語る

日本の新政権の動きを、きっちりと、追いかけることは、有権者としての責任だ。国内マスコミは、やたら国内政治に辛辣なので、少し、バランスを取るには、海外の政権動向を見るに限る。その意味で、民主党政権が二党制のモデルにしてきた英国が気にかかる。…

どうしてドイツ国債だけが安全だといえるのか

なぜ低金利の日本国債を日本人が買い続けるのかということが論壇をにぎわせるようになっている。たしかに、現実の投資行動がすべて緻密な論理に基づくものではない。特に金融危機のような状況で生じる動きは、表層の論理を繋げた条件反射的になってしまうも…

政治における言葉の大切さ

言葉というものは重要である。ヘラルドトリビューンにDavid BrooksがHistory For dollarsというコラムを書いている。はじめ、ドルの歴史と読み違えて、ドル不足問題やドル危機についてのコラムかと勘違いした。そうじゃなくて、最近の米国の大学生が就職難の…

徹底した銀行システムの検査と開示が欧州を救う

あらゆるバブルは過剰信用から生まれる。ヘッジファンドであれ、どんな投機家であれ、自己資金(エクイティ)だけでは、投資ポジションを大きく膨らませることなどできない。銀行が大きく、貸し込んでくれなければ、話は大きくならないのだ。バブルの崩壊に…

船橋洋一vs Tony Judt「グローバライゼーションは国家の衰退ではなく復活に」

ヘラルドトリビューンの英文朝日の方の土曜版に連載されている船橋洋一さんによるインタビューをいつも楽しみにしている。Brave, grave new worldだ。今回は、“Postwar; A History of Europe Since 1945”の著者であるニューヨーク大学で歴史を教える英国人歴…

日本の政府は世界に比べて、大きいのか、小さいのか

日経新聞の読書欄の「この1冊」で東京大学の佐々木弾さんが、「ケインズ説得論集」(日経新聞)の書評を書いている。その中で、最近のクルーグマン、OECD論争や、日本の財政危機をめぐる論争の中で、ぼくの視点の中になかったポイントが指摘されていた。ケイ…

金バブル?

Fiat Currencyを辞書で引いたら、不換紙幣という訳になる。何に換えられないのかというと普遍貨幣として、長い間、多くの人が信じてきた金だ。グローバルインバランスとかいって、アメリカ人が借金して気違いみたいになって消費をすることによって作り出した…

OECD クルーグマンに反論(ニューヨークタイムス)

クルーグマンは、OECDの市場に先回りしてインフレ期待の高まりに今備えるべきというスタンスの危険性をThe Pain Caucusというコラムで痛烈に叩いた。余計な先回りで、市場が今望んでいないことを、仕掛けることで、いまだな脆弱な景気に対して脅威を与えるの…

中国最強兵器、低賃金労働力の行方

ホンダの中国仏山工場のストライキも、大幅な賃上げで完全終結に向かったらしい。しかしホンダのストライキや、台湾のFoxconnの工場での若年労働者の自殺連鎖などの背景にあるものは何か。ニューヨークタイムスのPhilip Bowringは、こういった事件は、これか…

Audienceの責任とでもいうようなもの

今日も東京は素晴らしい快晴だ。世の中は大変そうだが、少なくとも、天気だけはこのところ文句のつけどころがない。じっくりと新聞を読んだ。当然ながら、民主党新政権についての値踏みが始まっている。昨日市場は株高で、菅直人さんの過去の発言の中の「円…

鳩山退陣 本当に何も変わっていないだろうか

鳩山首相が辞任した。政治家としても引退するらしい。小沢幹事長もともに辞任。市場は、いまだ、その事実をどう読みこむかにとまどっているようだ。何も変わらなかったというような紋切り型のコメントがとりあえず発せられる。これはマスコミ例文集にでもあ…

中国の住宅問題はよりファンダメンタルな社会問題

今日はカナダ中銀が政策金利の利上げを発表した。金融危機後G7初の利上げである。昨日のクルーグマンのコラムで話題になっていたOECDがカナダに対しては即座の利上げを推奨していたらしい。日経でも報じられていたが、その背景については何も書いていなかっ…

クルーグマン「早々と痛みの必要性を叫ぶ人々」

ギリシア危機を引き金として、日本国内にも、財政再建というような論調が強くなってきている。これはいいような悪いようなところがある。財政再建の中でもっとも重要なのは、実は、どのようにお金を使うかという点の納得性だと思う。今は、その政治プロセス…