21世紀ラジオ (Radio@21)

何かと気になって仕方のないこと (@R21ADIO)

2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

詩と史の時代 (冲方丁「光圀伝」)

明暦の大火の時のような大量の焼死者を出さないようにということで江戸幕府によって隅田川にかけられたのが、両国橋だという。 東日本橋から、この橋を超えると、江戸ではなく、川向うと呼ばれることになる。 たしかに両国橋を渡り切ると、空の広さを実感す…

元禄デジタル散歩のすすめ(志ん生の中村仲蔵を聴きながら俎板橋跡渡る)

ITだとか、インターネットだとか言うと、若者のため、家に引きこもりがちな人用などという偏見がいまだにあるようだが、電話は若者用だとか、外出嫌いの人用などという発言はもはや見当たらない。技術の導入には時間がかかるというか、人々の意識は、現実に…

金剛寺坂を歩いてみると(永井荷風「伝通院」)

春日通の竹早高校の向かい側の細道を下った。このあたりでは有名な安藤坂に概ね平行した道である。 散策の時に、飯田橋の方へ向かうときに抜ける細い道で、金剛寺坂という名で呼ばれている。 坂を下り始めると、唐突に「金剛寺坂の笛熊」という言葉が頭に浮…

種を蒔く人(水上勉「櫻守」)

朝起きたら、まず、アランの幸福論の一章を読むことにしている。 第89章の「幸福は徳である」。 アランの幸福論の核心は、幸福になるのは、その人間自身の責任であるだ。 他人を幸福にしようなどということに、徒に、時間を使う愚を諫めている。曰く、他人に…