音楽の時間:Jay ZのTidalはどうなった?
FoxのEmpireの方は大好評のうちにシーズン1が終わった。終わった瞬間に、シーズン2の話が出てくるほどの人気だ。
Empireの主人公ルシウス・ライオンのモデルの一人と言われるJay Zの方はそうもいかないようだ。
Jay Zはそもそも大金持ちだから困っているという言葉は当てはまらない。
4月に鳴り物入りでローンチしたストリーミングサービスのTidalの方の調子が悪い。
金ぴかの格好で、大金持ちミュージシャンが集まって、プロレタリア宣言をした反動かもしれない。
しかし根本のところは、アーチスト=プロレタリアートという前提に、肝心のファンの心が全然動かないというところが問題だというのが、SlateのJordan Weismannの見立てだ。
いたって冷ややかな周囲の反応というコラム。Jordan Weissmann(Slate)
先ず、ファンは自分がお金を払わずに、音楽を聴けるということが一番大切で、アーチストのことを心底心配しているという様子はあまり見受けられない。
確かにKickstarterでパンクの女王Amanda Palmerが資金調達に大成功したのを見ると、ミュージシャンの成功を直接支えるというファン心理が存在しないというわけではない。
ただし自分の好きなアーチストとアーチスト一般では、ファン心理を一緒にすることはできない。
貧困率一般という情報よりも、インドの貧しさと戦っているある少女のストーリーに対してより深い共感を読者が持つというのは理の当然である。
同じことが、音楽についてもあてはまる。
生まれたばかりの、貧しいミュージシャンという抽象的概念よりは、自分の好きなバンドの音楽への思いに対してファンが深い共感覚えるというのは当然だ。ある意味、慈善行為なのだ。
さらに慈善といっても、自分が寄付したお金がどう使われる方が透明な方がお金を出しやすいというのも事実だ。Kickstarterの成功はそのあたりにある。
Tidalがアーチストの敵と祭り上げたSpotifyだが、この会社は収入の70%をアーチストに支払っている。これに対してプロレタリアートの味方Tidalの配分比率はロサンゼルスタイムスによると75%。
プロレタリアートの味方がプロレタリアートの敵に比べて、5%だけ
搾取率が低い。
どうでもいい話じゃない?