トランプのアメリカ;トランプを支持する人々
2017年1月31日(火)10℃ 晴れのち曇り
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トランプ騒動は続いている。シリアからの難民受け入れ停止、テロの懸念がある7か国(イラク、イラン、リビア、ソマリア、イエメン、スーダン、シリア)の一般市民の入国を90日間停止という大統領令が大きな混乱を国内外で引き起こしている。欧州の極右政党以外のあらゆる当事者からの批判殺到である。
どのような批判が現れるかはむしろ想定の範囲内である。むしろ、こういう事態に対してトランプ政権がどのように対処していくのか、どれだけ発言を撤回したり、変化させていくのかというあたりをじっくりと追いかける方が意味があるような気がする。
Politically Correctな考え方からどのような批判が出るかをどれだけ集めて、分析しても、トランプを大統領にするアメリカの実相は見えてこない。
食い詰めた白人層というよりは、大っぴらにトランプ支持とは言わないで、トランプに投票した人々は内心でどう感じるのかが重要なのだろう。
今回の大統領令に対しても、内心では、トランプが乱暴に止めた人々の流れが、米国のリスクを高めていると感じている多くの人が、沈黙によって肯定しているような気がする。
トランプが目指しているのは共和党を変えることだ。むしろ新しい党を作ろうとしているのかもしれない。
ここ20年近く、給料が上がらず生活のレベルが低下している勤労者階級を中心においた既存政治の組み換えだ。既存メディアもこの声なき声の気分を理解しようとすることなく、既存の枠組みに拘泥するうちは、トランプ旋風はおさまりそうもない。
トランプ自体も、ああいえばこういう的に、巻き起こる批判をかわそうとしているのはいつものことだ。ただ三権分立のもう一つの柱である司法が今回の大統領令に否定的な反応をしていることが、今後、トランプ政権の動きにどのような影響を及ぼしていくのかは注視すべきなのだろう。
半年後、ぼくたちは、この事態をどのように振り返ることになるのだろうか。