21世紀ラジオ (Radio@21)

何かと気になって仕方のないこと (@R21ADIO)

公務員制度改革はどこにいった

民主党が何を放棄したならば、ぼくは、この政党に投票するのをやめるのだろうか。ぼくは、多くのマニフェストの中で、公務員制度改革が一番重要なことだと思って投票した。官僚政治のもつ縦割り、無責任性、非科学性(非経済学思考)が、日本のシステムを停滞させてしまっていると、ぼくは考えるからだ。

民主党が、その部分を放棄して、単なる、政権維持党になったならば、ぼくは、この政党には投票しない。

民主党の官僚政治との野合を批判しつづけているのが、渡辺喜美の「みんなの党」である。

理念のみで疾走できるぐらいの小ささだということは割り引いたとしても、「みんなの党」には明晰なアピールがある。公務員制度改革を主たるマニフェストとすることをぼくは評価する。

この政党を、理念の軸とした、民主党自民党の再編が生じる予感がした。

現状のデフレの戦犯の容疑が高いにもかかわらず、科学的反論を行わず、しかも、その経済学的知見、グローバルな金融実務の経験豊富と言えない、官僚の牙城となっている日本銀行に対して渡辺さんは「民主党政治の正体」の中で、こんな風に批判する。

『マクロの財政政策が、緊縮であってはいけません。無駄遣いの排除は当然のことですが、緊縮財政になったらデフレ脱却はできません。財政・金融一体政策、なかんずくマネーを増やす金融政策を打ち出すことによって、為替が円高にふれるのを抑止するなどのいい影響が出てくるわけです。

現状は、日米の実質金利ではデフレ下の日本のほうがはるかに高い。これを放っておくと、水が高いところから低いところに流れるのと違って、お金は低いところから高いところに流れ始める。つまり、円高になる。円高になれば、デフレはますます加速します。こうした悪循環を持っているわけであって、財政、金融、為替の3本の矢、特に金融政策の役割はきわめて大きいのです。

だから、みんなの党議員立法案では、日本銀行法を改正して政府と日銀のアコード(政府と中央銀行が、共に政策を進めるにあたり、両者が協調していくことを定めた協定のこと)を締結すべきであると言っているわけです。』

グローバルな財政金融政策の標準的理論であるインフレターゲットへの最大の抵抗勢力が、独自の理論に固執する日本銀行である。

70年代のインフレをめぐる小宮隆太郎さんと日銀の翁邦雄さんの間のマネーサプライ論争以来、経済アカデミズムと日本銀行の亀裂は大きい。日銀は、科学的であるより、自己保身を選んだからだ。それは、国民経済的にはとても不幸なことのように思われる。

『ではなぜ、日本銀行が重い腰をあげたがらないのか?自分の庭先だけ汚されるのが嫌だからです。日本銀行ばかりではなく、日本の試験選抜エリートたちが、「局あって省なし」「省あって国家なし」の“独立共和国”を作っているからなんですね。危機管理のトータルプランを立案・実行するところがない。自分達の縄張りは死守しつつ、責任は押しつけ合う。だからこそ、意識改革を含めて霞が関改革、公務員制度改革が必要です。』

公務員制度改革は、民主党がおろしてはならない旗である。

郵政民営化も、官僚主導政治の復活という観点から、放棄されてはならないのだろう。