21世紀ラジオ (Radio@21)

何かと気になって仕方のないこと (@R21ADIO)

経済論戦のすすめ

日経のG20についての報道の書き方を見ていて、気になったことがある。財政対策で、欧米に置き去りにされる日本というようなかきっぷりだ。

ものごとはそんなに簡単だろうか。財政緊縮策をめぐっては、時期早尚論も含めて、議論奔出というところだろう。

欧州の中でも、ユーロという隠れ蓑を使いながら一種の近隣窮乏化策に走っているドイツはともかく、英国は長期的な状況はともかく、日本と違って、足元の借金が借り続けられるかどうかがすべて市場(海外資本)に依存している。であればこそ、当然、市場に対するリップサービスは不可欠となる。

ただクルーグマンが言うとおり、それが本当に市場が求めていることかどうかは定かではない。

第三の大恐慌の可能性を懸念するものから見れば、時期早尚なAusterityは、そもそもの目的を達成する上でも適切な手法ではないということにもなる。

市場はそういったロジックを受け容れ始めているように思われる。

大体において、政治は、市場を後追いする。

だから、政権交代直後の政府首脳の目新しさや、その言葉の斬新さだけ見て、先進的であるという思考はどうなんだろう。

アメリカもオバマ政権自体は、景気刺激策の必要性は痛感しているが、国内政治状況が、刺激策を手放しで肯定することを許さないのである。

ということからは、日本がこの局面でLow-profileであるということは国際政治的に決して問題ではないような気がする。

最近、経済論壇で気になるのは、日銀ガラパゴス論の高まりである。円高、デフレが問題であるのに対して、ともすれば、緊縮策に傾きがちな日銀に対する批判である。

高橋洋一さんや、勝間和代さんなどに、エール大学の浜田宏一先生も参戦されたようだ。

この点だけは、白黒をつけて欲しい。日銀には最低限Accountabilityというものだけは示して欲しいと思う。