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マイスペース海外の大リストラを発表

ツイッターのTechcrunchからのフィードに、マイスペースレイオフの話が載っていた。古臭い言葉で、使うのも照れるが本当にdog yearなんだと今更ながらに思う。

Leena Raoという人の短い記事。

http://www.techcrunch.com/2009/06/23/myspace-layoffs-coming-to-countries-where-it-is-getting-trounced-by-facebook/
今朝マイスペースは、海外スタッフ総勢450名中300名のレイオフを発表した。その際、今後のグローバル戦略における主要拠点として、ロンドン、ベルリン、シドニーを維持するが、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、フランス、インド、イタリー、メキシコ、ロシア、スウェーデン、スペインに関しては再編の検討を開始し、4つのオフィスを閉鎖することを計画していると、CEOのOwen Van Nattaが発表した。
これらリストラ対象の国はマイスペースのグローバル全体のユニークビジター数の約15%にすぎないが、より重要なのは、これらの地域で、フェイスブックの圧勝が明らかになっていることだ。
comScore調べのデータによると、
インド FB 640万人 MSP 84万8000人
アルゼンチン FB 550万人 MSP 61万1000人
スペイン FB 720万人 MSP 150万人
マイスペースの成長は、今のところは、低迷している。
マイスペースの全世界における月間ページビューは1年前の474億PVから今年の4月には20%減少して480PVである。
これに対してフェイスブックは440億PVから870億PVと約100%の増加を遂げている。
マイスペースのユーザー数の成長も失速している。そしてデベロッパーたちによれば、マイスペース上の活動は劇的なスピード(1週間に0.5%の速度)で減少している。我々のモデルで推定したソーシャルネットワークスの価値ランキングでは、マイスペースは昨年トップだったものが、フェイスブックの後塵を拝するようになってしまっている。
マイスペースを取り巻く環境がすぐに好転する様子はない。
そもそも現在の経営が、2006年にニュースコープとグーグルの間で締結された広告契約に基づく支払(生活保護?)によって支えられているのが現実だ。
マイスペースは2005年にフォックスインタラクティブメディアによって5億8000万ドルの現金で買収されている)
ところがこの生活保護も、2010年を最後に打ち切られる。ただしこの契約によれば、マイスペースが、検索ページビューに関して一定の条件を達成すれば、来年3億ドルの支払を受けとることができるようだ。
しかしこのありがたい契約が終わった後には、マイスペースは、毎年の500億ドルにも達する運用コストをまかなっていかなくてはならない。
しかし上記のようにページビューは減少しており、グーグルの毎年の資金注入がなくなるので、ニュースコープのこの子会社は今から1年後には間違いなく赤字になるだろう。
Van Nattaは、費用削減のためにレイオフを用いるようだが、全世界で720名をレイオフしても、月額で700から800万ドルのコスト削減にしかならないと思われる。(一人あたり、1万1000ドルという想定)
マイスペースは、スタッフを全員くびにしても黒字にはならないのだ。(以上)

銭金が一番大切な、既存メディアに買われたせいなのか、SNSというスペースには最終的には1つの巨大メディアしか必要ないのか、理由は定かではないが、(結構定かな気もするが)なかなかしんどそうな話ではある。

西村博之さんじゃないが、必要以上のサイズになることは、インターネット企業にとってあまり幸福じゃないのだけは確かなようだ。