podcastの時間:米国ラジオ市場現状(PRC)
米国のラジオ産業の現状の重要数字についてのPRCによるまとめ。規模感や、ニュース放送局の資本関係などが興味深い。(3分の1のニュース局がCBS傘下!)
Edison Researchの2015年調査によれば、12歳以上のアメリカ人の半数以上が過去1か月で、オンラインラジオを聴いている。リスナー行動の中心がオンライン視聴になっていることが明らか。聴取行動のかなりの部分がデスクトップではなく、モバイル端末経由。
一方、従来型のAM/FMラジオはアメリカ国民の圧倒的多数に対するリーチを拡大している。ニールセンメディアリサーチデータに基づくPew Research Centerの分析によると12歳以上のアメリカ人の91%がラジオを聴いている。この比率は2013年から変わってない。
そしてSirius XM(米国唯一の衛星ラジオ放送プラットフォーム)は2013年から約7%の加入者数増を記録。
財務的には、AM/FMのスポット広告(ラジオ放送時の広告で、ラジオ局の主たる収入源)からの収入は2014年は若干減少。その一方で、デジタルや放送時以外の広告は堅調な利益を上げている。Sirius XMの収入は2013年の38億ドルから2014年には42億ドルと10%の増加を遂げている。
ニールセンによれば、2014年にニュースラジオ局の総数は31に減少している。アメリカ人のラジオリスナーにとっては、ニュース/トーク/情報がひきつづきもっとも人気のある放送フォーマットである。これはカントリーやニューカントリー音楽に次ぐランキングである。局数は過去数年変動している。
Online Radio Listenership(オンラインラジオ聴取者数)
2010年以降毎月のオンラインラジオリスナー数は倍増している。2015年に12歳以上のアメリカ人の中で毎月オンラインラジオ聴取者の比率は53%に上昇した。これは5年前の2010年の27%に対して倍増。
スマートフォンがオンラインラジオ聴取の端末として選ばれるようになっている。2014年に66%だったスマートフォン経由での聴取率は、先週73%に上昇している。デスクトップやラップトップは、昨年の67%から61%に下落している。
Web-Based Listening in Cars(自動車内でのウェブベースの聴取
スマートフォン経由の聴取が拡大するにつれて、自動車社内でのウェブベースの聴取も拡大している。2015年1月付けで、米国の成人携帯保有者の35%が自動車内でオンラインラジオを聴いている。
この数字は2013年の21%よりもはるかに高くなっており、2010年の6%のほぼ6倍にまで増加している。
News Stations(ニュース放送局)
ニールセンメディアリサーチのデータによると、ニュースラジオ局の総数は2012年の37局から若干減って31局になっている。31局は15の親会社によって所有されている。CBS Corporationがその3分の1にあたる10局を所有している。1局のみ所有する親会社が8社。そして残りの6社が2,3社を所有している。全ニュース分野の2014年の聴取者シェアは1%で、宗教やスペイン語音楽放送局と同じ比率である。
ニュース/トーク/情報関連の放送局がラジオ放送フォーマットの中でもっとも人気のあるものの1つになっており、2014年の12歳以上のアメリカ人リスナーの11%を占めている。これはカントリー音楽に次ぐランキングである。ラジオ局数は過去数年変動している。
Revenue(収入)
AM/FMの主要収入源であるスポット広告(ラジオ放送時の広告) 収入は2014年に3%減少している。これに対してデジタル及び放送時以外の広告収入はそれぞれ9%、16%と堅調に推移している。しかしデジタル及び放送時以外の広告収入が全体に占める比率は約16%にすぎない。この結果、2014年のラジオ部門の収入は1%減少した。
(以上)