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21世紀ラジオ (Radio@21)

何かと気になって仕方のないこと (@R21ADIO)

クレッグ英副首相 財政再建について語る

日本の新政権の動きを、きっちりと、追いかけることは、有権者としての責任だ。

国内マスコミは、やたら国内政治に辛辣なので、少し、バランスを取るには、海外の政権動向を見るに限る。その意味で、民主党政権が二党制のモデルにしてきた英国が気にかかる。

久々の連立政権がどのように財政再建を成し遂げていくのかを追いかけていこうと思っている。

政権成立当初、ニューヨークタイムスが、簡潔に、連立政権の特徴をまとめていた。

当然、そこには、政策面での妥協がある。その妥協をどのように国民に納得させていくか。それも含めての政治的技術である。

http://d.hatena.ne.jp/trailblazing/20100514/1273797735
「保守党は、今年から財政削減に着手することを自民党に合意させた。翌年に繰り延べて、脆弱な回復に水を刺したくないという考えだ。

保守党はEUには懐疑的、移民には敵対的で、規制のない市場を信奉している。

自民党はEU寄りで、環境主義、人権擁護的で、累進課税を主張し、軍事予算削減とアフガニスタンよりの早期撤退を主張している。

環境と税制のあたりに、保守党に歩み寄る姿勢があると論者は言う。

いずれにせよ、連立政権複数年の財政赤字削減策について市場を再度納得させる必要がある。」

こういった違いをどのように超えて、目標を達成していくのか。

オブザーバー紙が副首相のニック・クレッグにインタビューを行っている。財政再建が叫ばれる中、世の中に巻き起こるサッチャー的財政削減の過酷さへの懸念を否定した。この公約遵守に政治的信用を賭けた感がある。

進歩主義的、社会民主主義的、緊縮策とは何かがこれから問われることになる。

http://www.guardian.co.uk/politics/2010/jun/06/nick-clegg-cuts-coalition-cuts-thatcher

オブザーバーとのインタビューで、クレッグ副首相はマーガレット・サッチャーの経済政策に対する激しい攻撃を行った。そして連立政権が、スウェーデン、カナダ、米国型のより「進歩主義的」な削減策を追及することを誓った。

財政削減が、1980年代の反復を意味しないことを国民が理解することは重要である。我々は違ったやり方でこの目的を追求すると、クレッグ副首相は言った。

この発言は、サッチャーをいまだにリーダーとして礼賛する多くの保守党右派の怒りを買うリスクがある。副首相は連立のこの公約を達成するために、自分の権威を「容赦なく」使うと発言した。

中道左派には、緊縮政策をそもそも退行的で、右翼的と考える傾向があるとクレッグ副首相は指摘する。

「そう考えてしまうのは、主として、財政緊縮に関わる困難だった、80年代の過酷さや、結果としての北部と南部の分断、溺れたくなければ泳げというような精神構造の横行などの集団的記憶に結びつくからだろう。これが国民的記憶になっているのだ。」

しかしクレッグは、スウェーデン社会民主党、米国のクリントン政権、カナダの自由党などを含む「中道左派政権」によっても、世界の最大の削減プログラムのいくつかが実行されていることを指摘する。

クレッグは、自民党連立政権の一員であるとはしても、自分の選挙区である南ヨークシャを含む英国の最貧地域は保護されると公約した。

「北部と南部の大きな断絶が再び起こることは許さない」と延べ、選挙期間の首相の発言が引き起こした不安を和らげようとしたのである。

デビッド・キャメロンは北東部と北アイルランドを、公共部門への依存度が高すぎる地域として名指ししたのである。

クレッグが財政赤字に対する立場を変えたと批判するものもいる。選挙前は、彼の党は60億ポンドの緊急削減策は、英国を景気の二番底を引き起こすリスクがあると警告していた。しかし、クレッグは、英中銀総裁のメルビン・キングによる説明とギリシアの危機状況によってその必要性に納得したと述べている。

60億ポンドは、赤字のほんの一部であり、削減したとしても息をつける程度であり、政府に問題に対応する意志があることを市場に対して示すために必要なシグナルであると主張する。

この赤字に対処することに失敗すれば、市場の信頼に打撃を与え、雇用に悪影響を及ぼし、金利が急騰し、低金利に生計がかかっている人々をうちのめすことになるので、むしろ進歩主義的ではないのだと論じた。

「緊急性をここで強調したい。理由は、はっきりいって、現在、中道左派コミュニティの中に、財政危機と闘うのは、進歩主義的ではないという考えが生まれているが、これは大きな間違いだからなのである。むしろ財政危機と闘わないことが進歩主義的理想に対する裏切りといわざるを得ない。」

しかし、当然、こういった緊縮政策が、英国の重要な貿易パートナーであるユーロ諸国の金融市場の混乱や危機の波及効果にさらされている国内経済のいまだ脆弱な回復状況に水を差すリスクがあるという反論がなされている。

クレッグは、今週、欧州の首都を歴訪して、連立政権は欧州における議論のイニシアチブを取りたいと強調する予定だ。

また新しい投票システムについての国民投票の時期についても、数日中あるいは数週間中の公表することが予想されている。(以上)