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岡田博紀「ビジネスで大切なことはみんなレストランで教わった」(大和書房)

神楽坂のKemuriという「隠れ家的」炭火焼レストランの創業や飲茶の一茶一坐の再生などを行っている古くからの知人岡田博紀さんからメールがあった。

「本を出したので、読んでください。」

「ビジネスで大切なことはみんなレストランで教わった」(大和書房)

もともと、彼は、ジャフコというベンチャーキャピタル会社に入社し、未公開企業投資やIT企業経営の実務に携わってきた人です。

その意味では、職業人としてのバックグラウンドは財務、金融。

そんな彼がレストランを始めたと聞いた時にはちょっとびっくりしました。

ちょっと自伝的な装いもあるこの本の中で、彼が学生の頃から、おてもてなしサービス系のアルバイトが好きだった件を読んでいて、なるほどと思いました


本当になんでも自分一人でやってKemuriを立ち上げるあたりは感動的なきもちの良さを感じました。

ぼくも、攻撃的な現場主義なので、このあたりのなんでもやりたい感じがよくわかります。

そんな彼がこの本を書いたのは、レストランを通して会社というものをまるごと理解する視点を伝えたいという思いからです。

このあたりが、金融や、財務というビジネススキルを持ちながら、自分の天職である「おもてなしビジネス」を見つけた、彼ならではの独自性だと思います。

Menuを見ると
第1章 レストランで経理を学ぶ
第2章 レストランでマネジメントを学ぶ
第3章 レストランで人事・教育を学ぶ
第4章 レストランで接客・サービスを学ぶ
第5章 レストランでマーケッティングを学ぶ
第6章 自分の仕事を創る
第7章 自分の会社を創る
第8章 ビジネスモデルを創る

自分の実体験に没入しながら、どこかで冷静な眼を保つというこのバランスが素晴らしいと思いました。

岡田さんは出来上がった経営者ではありません。今も成長しようとしている人です。

そんな彼が、走り続ける自分の姿を、伝えようとしたところに、没入しながら、冷静さを失わないしっかりとした戦略性も感じました。

久しぶりに毘沙門様の裏にあるKemuriに行ってみようかと思いました。