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何かと気になって仕方のないこと (@R21ADIO)

第25節 アウェー神戸戦;熟成する四方田・ミシャ・ブランド

最近では、北海道へ帰るのは、冠婚葬祭かコンサドーレの応援だ。

 

今回は葬儀のためだった。千歳空港から目的地にはバスで向かう。バスの中で前回このバスに乗ったのは去年の最終戦だったなあとぼんやりと思い出してた。

 

ホームだったら、もう一日延長して、応援もあったのになあと不謹慎なことを考えてしまった。

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東京へ帰る飛行機がちょうど19時出発で、試合開始前の監督のインタビューあたりまでは、機内で眺めた。あとは運に任せるのみ。

 

 

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飛行機が30分以上遅れて、羽田に到着した。機内で早速ダゾーンを開くと、87分。3対2でリードしていた。隣の席のコンサドーレファンのカミサンと最後の神戸の猛攻を手に汗握って見守った。試合終了の時には、おもわず小さくハイタッチをした。

 

どうもすんなりと観戦できない時の方が良い試合をする。

自宅に帰ってから、祝杯上げながら、じっくりと観戦した。

前半の試合運びを見て、コンサドーレの戦い方に一種の熟成を感じた。この予感は前節のFC東京戦でも感じたことだ。強豪相手の際の、タイプに応じた戦い方が練れてきているような気がする。東京戦も、決して、支配率高く攻めるのが得手とは言えない相手に対して、必要以上にプレスをかけず、比較的ディフェンスを厚めにして戦い、ロングボールや、チャナティップを唯一の中盤とするシンプルな逆襲で戦った。ゲーゲンプレスとはちょっと違ったタイプのカウンター攻撃なのかなと。

今回も、同様で、前後半通じて、神戸の支配率は数字だけ見ると圧倒的だったが、自軍のゴールに近づくと、きっちりとしたブロックを組んで、神戸の攻撃を阻止していた。

ソンユンのスーパーセーブに何度か救われていたが、ディフェンスエリアでのコントールは試合を通じて安定していた。

前半終了間際に、田中に目の覚めるようなゴールを決められたが、ディフェンスの若干の隙で、田中をフリーにしてしまったのが原因だった。

しかしその直後の素早い武蔵の同点ゴールも見事だった。カウンターの速さと精度がどんどん高くなっている。ジェイ、武蔵、チャナティップの連動性の高まりが半端じゃない。

チャナティップがほんとに凄い選手に育ってきている。コンサドーレを去る日が近づいてしまうようで、少し、寂しいが、世界のトッププレーヤーになってくれたなら、心から嬉しいと思えるだろう。

後半は、判定に若干助けられた感もあった。確かにジェイの得点は、突っ込みどころ満載だろうが、テクノロジーの助けがなければ、なかなか現場での判断は難しいような気がする。(こんなこと冷静に言ってられるのも、取られなかったファウルの甘さを楽しむ側にいるからだが)

拡大コンサドーレメンバーの西大吾は両得点に絡む危険なクロスで古巣を脅かした。

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細かいところだが、西に後ろから押されて倒された菅が「なにやってんだよおまえ」と言っているように見えたのが嬉しかった。育成の大先輩だとしても、直接の面識がなければ、なにやってんだよおまえだよね。

白井と酒井のマッチアップは、速さとうまさと危険察知能力で、若干酒井の方に分があったものの、白井も最後までスプリントをして、戦い続けていた。

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山口、荒野のボランチ対決も、ボール奪取力には山口にまだまだ及ばないとはいえ、圧倒的な運動量と、守備への貢献で、荒野はどんどん成長しているのを確認できる試合だった。

決勝点となった福森のコーナーキックから宮澤のヘディングシュートは、緻密さと正確さで特筆すべき得点だったと思う。

胸がいっぱいになるくらい、コンサドーレが成長しているのが感じられた。

 

ミシャ・四方田ブランドの高級ワインがどんどん熟成してきているようだ。


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神戸もさすがに一流の品種のブドウを集めただけあって、ここからじっくりと寝かせられれば、かなりの手ごわいチームになってくる予感がした試合だった。

今季はマンチェスターシティの試合を比較的じっくりと見始めているのだが(といってもまだ四試合だけど)、バルサの延長線上にあるマンチェスターシティの緻密なルールに慣れるには、どんなトップ選手でも1年、ないしは2年かかるし、チーム側もそれを覚悟で投資しているというようなことを解説者が言っていた。マフレズも毎試合出られているわけでもないし、それが当然なのだという。

 


マンチェスター・シティ2017-18 ペップ戦術



そういう意味で言えば、高級ワイン感が少し漂う神戸のリスクは、この熟成を待つということへの忍耐力なのかもしれない。買った高い葡萄をどんどん継ぎ足すのはいいが、熟成を待てずにすぐに試し飲みをしたくなり、結局、チームとしての風味が決定的に破壊されてしまう。

このメンバーのままで、しばらく試合を続けていく度量がこのチームにあれば、来年はかなりの脅威になりうるだろうなと思った。

ただ試合終了後のフィンク監督のインタビューで、自分たちはとても良いサッカーをしたが、二つのおかしな判定でこういう結果になってしまって残念だという主張に終始したのは、このあたりのリスクの一つの現れの様に思えた。

フィンクが置かれている(無駄で無益な)プレッシャーがそこに表れている気がしたからだ。

判定というものが完璧であろうはずもない。しかし判定はいつも自分たちに不利なわけでもない。その確率の現れを理由にするということは心の弱さの現れにすぎないからだ。

 

確かに、いまだ降格圏に近いと言えないこともない。クラブがまた折角の樽をぶちまけて、シーズン半ばで葡萄やワインメーカーを総とっかえしたりしないことを(Jリーグのファンとして)心から望む。

他人のことはともかく、コンサドーレというワインは四方田、ミシャという二人のワインメーカーの共同作業で独特なブランドになりつつある。

 

しかしワインと同じようにサッカークラブも生き物である。クラブチームが一つのピークを目指して、上昇していることを感じられる僕たちは今とても幸せである。

しかしそのピークという状態が永遠には続かないことを皆知っている。そしてその状態を続けるためには、クラブ、ファン、オーナーの覚悟が試されるということも。

結局サッカーというものを楽しむということも一期一会の貴重な瞬間なのだということをしみじみと感じている。


  順位 勝点 勝数 得点 失点 得失差
第23節 6 35 10 5 8 39 28 11
第24節 7 36 10 6 8 40 29 11
第25節 7 39 11 6 8 43 31 12



 

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