数字でサッカークラブを眺めてみると
ピッチ上で展開するサッカーの戦術を理解したという気持ちはやまやまなのだけど、さすがにその部分では、見事なくらいにアマチュアなので、いまだに、フィールド上の選手のプレイの価値などというものを把握することなどおぼつかない。
だとすれば、まずは、わかるところから始めようと思った。
プレミアリーグとJリーグのクラブの売上や人件費のあたりを調べてみることで、産業としてのサッカーの外側から抑えようと。
若干インターネット検索しただけで、いくつかの資料が見つかった。
プレミアリーグの数字に関しては、デロイトのAnnual review of Football Finance 2019、Jリーグに関しては、日本プロサッカーリーグが出したばかりのクラブ経営開示資料が貴重な情報を提供してくれた。
プレミアリーグの2017/18シーズン
マンチェスターユナイテッドの売上は761億円で人件費は382億円である。
その他トップの強豪クラブの数字は以下の通りである。
ちなみに20位のWest Bramwichでも売上は161億円。人件費で118億円だった。
2017/2018 | |||
(100万円) | 収入 | 選手給与 | 比率 |
ManU | 76,110 | 38,184 | 50% |
ManC | 64,887 | 33,540 | 52% |
Liverpool | 58,695 | 34,056 | 58% |
Chelsea | 57,792 | 31,734 | 55% |
Arsenal | 50,181 | 30,960 | 62% |
Tottenham | 48,891 | 19,092 | 39% |
平均 | 31,089 | 18,318 | 59% |
(デロイトAnnual review of Football Finance 2019)
http://www.deloittestore.co.uk/Annual-Review-of-Football-Finance-s/1968.htm
これに対してJリーグの数字は、
トップの神戸の収入は約97億円。平均で約48億円。
我らが札幌は収入30億円で人件費が15億円だった。それぞれの人件費の数字をじっと見ていると、いろんな思いが浮かんでくる(笑)
この陣容で去年は4位、現在7位。よく頑張ってるなあ。
Jリーグ 2018年シーズン
(100万円) | 収入 | 選手給与 | 比率 |
神戸 | 9,666 | 4,477 | 46% |
浦和 | 7,549 | 3,108 | 41% |
鹿島 | 7,330 | 3,157 | 43% |
川崎F | 6,074 | 2,614 | 43% |
名古屋 | 5,491 | 2,823 | 51% |
G大阪 | 5,159 | 2,193 | 43% |
平均 | 4,755 | 2,275 | 48% |
札幌 | 2,988 | 1,502 | 50% |
湘南 | 2,978 | 1,384 | 46% |
(日本プロサッカーリーグ調べ)
https://www.jleague.jp/docs/aboutj/club-h30kaiji_4.pdf
この圧倒的な数字の違いの背景を一つ一つ丁寧に理解してみようかなと思っている。戦術眼よりは、比較的順調に理解は進みそうだ。
この資金量の圧倒的な違いを見るだけでも、若い有望株がどうしてポンポン青田買いされるかの理由も腑に落ちるじゃないか。
この収入の中に占めるチケット収入、放映権収入、企業協賛収入等の内訳をじっくりと見てみようと思っている。
HIGHLIGHTS | Bournemouth 1-3 Man City | Aguero, Sterling, Wilson.
昨日の、マンチェスターシティとボーンマス戦での、ラポルテからの大きなサイドチェンジを見事にトラップしたBernaldo Silva, David Silvaと繋いで、最後は狭いスペースのないところへのキラーパスをメッキリ覚醒したSterlingが決めた、あのスリリングなゴールも当然なのかもしれないと思った。
福森のサイドチェンジのクロスを白井がトラップして、チャナティップ経由で武蔵が決めるという、基本的には同じパターンの戦法だが、やはり金がかかってる分、凄みが違う。
でも、この数字の違いを見ると、ほんとにくどいようだけど、みんなよく頑張ってると思ってしまう。