21世紀ラジオ (Radio@21)

何かと気になって仕方のないこと (@R21ADIO)

ユーチューバー作家 John Green

グーグルがその企業ミッションを着々と達成しているせいなのか、いきあたりばったりで、出会ったものが、結果的に、繋がってくるという確率が上がっているような気がする。ある意味では、インターネットによって提供された選択の中で、僕が生きる世界がより狭いEcho Chamberに変わっているせいかもしれない。

 

やれやれ、すぐ、めんどくさい、語り口になってしまう。

 

でも、めんどくさい話をしたいわけではない。

 

以前、録画したアメリカの青春映画を観て、ちょっと気にいったので、原作をキンドルで買って読んだ小説の作家の名前が、つい最近、まったく別のコンテキストで現れたというシンプルな驚きを書きたかったのである。

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作家の名前はJohn Greenという。以前見た映画は、「きっと、星のせいじゃない」。

The Fault in Our Stars

 

 

 

原題はThe Fault in our starsだ。

 


The Fault in Our Stars | Extended Trailer [HD] | 20th Century FOX

 

 

 

 

癌に侵された女の子が懸命に前向きに生きるという古典的な純愛映画だ。僕らの世代で言えば、Love Storyある愛の詩

ある愛の詩 (字幕版)

 

 

 

 

 

愛とは決して後悔しないこと

Love means never having to say you're sorry.

 

の決めセリフとフランシス・レイの主題歌が一世を風靡した。

 


Love Story Soundtracks---Francis Lai

 

今となっては、大ヒットしたとはいえ、なぜこの映画の原作を読もうと思ったのかは思い出せない。ただそのクールな描き方に好感を持ったのだろう。

 

この小説はとても読みやすく、読後感も最高だった。でも、この作家の小説をずっと読み続けることはないんだろうなと思っていた。

 

最近、YouTubeに関する本をしこたま買いこんで、片っ端から読んでいる。

 

その一冊目に グリーンの名前があったのだ。そうあのジョン・グリーンだ。

 

YouTube革命 メディアを変える挑戦者たち

オンラインコミュニティ、ユーチューブを活用して全米で最も成功した作家がグリーンなのだという。

 

大学を卒業した後に、作家になるという道を目指すという困難を一度見つめなおすために人材派遣会社で働いていた。そのうち会社が彼を「ブックリスト」という書評誌に派遣し、そこで、好きなだけヤングアダルト向けのフィクションを読むようになった。そこで四年働いたあとに彼は最初の小説を出版することになった。

 

第二作目が出版されたころから、彼は兄弟のハンクと実験を離れた。仲の良かった二人なのだが、ジョンが寄宿学校に入ってから、距離的に遠くなったので、意識的にコミュニケーションを取ろうとしたのである。ジョンはハンクに、Borhterhood 2.0という実験を提案した。他のコミュニケーション手段をまったく使わず、毎日、Youtubeの動画をオンラインで交換したのである。二人は、初のヴログブラザーズとなった。当初は作りも雑だったので、視聴者はジョンの本の愛読者のティーンエージャーや図書館の司書くらいだったという。

 

ところが数か月後、この小さなコミュニティの力を見せつけることが起こったという。国際開発に関心を持った二人が、マイクロファイナンス、貧しい人に少額の資金を貸して、貧困から抜け出すの助ける、という考え方に興味を持った。彼らはKivaという非営利団体と連絡を取った。彼らはKivaと一緒にドミニカ共和国を訪れ、ビデオブログで、マイクロファイナンスの意味などを公開した。公開後、Kivaが驚くほどの寄付が集まったのである。

 

その後も彼らのオンラインコミュニティは成長を続けた。いわゆるNerd(オタク)の集合体ではあるが、このコミュニティの成長を観察していると、筆者は、自分のNerdについてのイメージが変わったという。

 

「ナードは社交スキルに欠け、現実の人間と付き合えないからネットの中で生きる退屈な子などではないと思える。むしろ何かに対する愛情を、見ず知らずの人にまで公言し、その情熱にファンがつくほど一生懸命な人間なのだ。

 自分が反対するもので自分の個性を示したり、皮肉やあてこすりを使って不安をおおい隠したりするのではなく、ナードは自分が愛し絶賛するものを描くとしてアイデンティティを築いている」

 

 

ジョンやハンクの活動をみていると、地道にポジティブな考え方を発信していくということの可能性を感じる。

 

ジョン・グリーンに関して言えば、僕はPaper Town(2009)というのも読もうかなと思い始めたくらいだし、彼のポッドキャストAnthpoceneで語られる、ジョンの穏やかな語り口やその言葉に急激にはまりはじめている。


https://www.wnycstudios.org/story/anthropocene-reviewed-air-conditioning-and-sycamore-trees

 

そもそもあの映画を観たのすら、見えないところで、彼らのコミュニティが生み出した波紋の外延の部分が僕に到達したという話なのかもしれない。

 

最後に、TEDで自作のPaper Townのことを枕に学ぶコミュニティについて語るJohnのスピーチを紹介しておこう。字幕付きだ。


Paper towns and why learning is awesome | John Green