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第23節 アウェイ清水戦:記録的大勝!

外に出ると、圧倒的な量感のある、体積を感じるような重く乾いた空気にぶつかった。息をするだけでも大変な気温だ。

 

こんな中、90分試合をする選手のことが気になった。昨年の今頃、アウェイの清水戦で、日本平まで遠征した。あの日も、かなりの暑さだった気がする。

 

あの時は、宮澤と都倉のゴールで2対1で勝った。終了後、車を駐車した材木置き場の特別駐車場まで歩く中、心地よさもあったが、疲労感が馬鹿にならなかったのを覚えている。

 

今日も日本平は暑いんだろう。

 

今日は残念ながら、ダゾーン観戦もままならない。

 

会議後の懇親会の席でスマホを確認すると、前半で2対0だった。その後気になって、確認するたびに、点数差が開いていき、結果8対0の大勝になった。

 

応援に行ったときでも、リアルタイム観戦でもない時に限って、こういう試合になる(笑)

 

帰宅してから、録画をフルタイムで2回観戦した。

 

真剣な観戦生活を開始してから、言っても、3年半である。学生時代に、クラブでサッカーをしたわけでもないので、どこまでいってもビギナー感はなくならない。

 

 

そんな観戦ビギナーの僕が、最近、お世話になっているのが、観戦プロの

らいかーると」さんの「アナリシス・アイ」だ。勘所をわかりやすく説明してくれるので、日々楽しく観戦することに役立っている。

 

アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます (小学館新書)

 

「らいかーると」さん曰く、サッカーは「時間」と「スペース」を奪い合い、ゴールを決めるゲームである。この「時間」と「スペース」を手に入れるための手段が「選手」であり「配置」であると。

 

時間というのは「周りの状況から判断して最適なプレーを実行するための時間」であり、「プレーができる時間」を決定する主要な要因が「相手から受けるストレス」だ。

 

次に「スペースがある」というのは、「プレーが可能な空間があること」である。

 

この観点から言うと、中2日明けのエスパルス戦は、時間もスペースも十分だった。

 

十分な休養明けで、中2日の広島に引き分けた試合に比べると、明らかに、エスパルスの状態は悪かった。

 

端的に言えば、前半から、球際の厳しさや、ハードなプレスがほとんど見受けられず、コンディション調整がうまく行っている、コンサドーレの選手たちは、ストレスなく、十分に考える時間と、パスをするスペースを探すことができた。

 

コンサドーレは、スペースを見つけるために、ボトムからのビルトアップするというよりは、シンプルに、広々と空いたスペースにロングパスを放り込んで、決定的なチャンスを作り上げていた。

 

こうなるとワントップツーシャドーの破壊力は全開になり、真夏の大殺戮が始まった。

 

結果、ジェイがハットトリック、切れ味のいいチャナティップが2点、武蔵が見事なミドルシュート、進藤の相手の心を折る三点目のヘディングシュート、そして、福森の壮絶なFKとオールスターキャストのケチャップ大盤振る舞いとなった。

 

大量得点の割には、不思議と達成感は薄かった。リアルタイムでのハラハラ感なしの観戦だったということもあるが、エスパルスの状況が悪すぎた。

 

この篠田という監督の采配能力はいまだによくわからない。FC東京の監督で、かなりのタレントを抱えながら、無策で負け続けたときにも、何がしたいのか皆目わからなかった。

 

今回も前監督が解任された時に、新監督として登場した時も、ちょっと大丈夫か?と思った。

 

北川、白崎と生え抜きの若手を無造作に抜かれ、中途半端に天皇杯勝ち残ったりするなど、気の毒な点はあるが、得点を加えられるたびに、カメラに抜かれる監督の表情が常に茫然としていて、敵ながら不憫だった。

 

ミシャの良さは、勝てば良いという考え方ではないところだ、時に言い訳めくとはいえ、負け試合でも良い点があれば、この点は良かったと言い切る点にある。

負け試合にさえ、覚悟と意志を感じるということは、悪い時でも応援をしつづけるうえでは最低必要となる条件だと思う。

 

今回も、悪いのは自分ですというようなあいまいなコメントに終始した。これは日本人監督でよくあるパターンである。これは取り合えず、頭を下げておくという日本的文化が見事に反映していて、ほとんど何も言っていないのに等しい。

 

自分が悪いヒトコトで締めくくるのはいつもながら、少し残念だし、プロとして無責任だ。「日本人的」である前にサッカーのプロであって欲しい。

 

前半からプレスが強くなかったのは、おそらく体力温存ということを考えたのかもしれないが、だとすれば、もっと守備的であるべきだった気がする。そこいらの決断が弱かったという意味では、監督の責任もあるのだろう。

 

しかし中2日の疲労の中で、このきちがいじみた暑さの中でプレイするというのは、どうにも分が悪かったのだろう。選手の動きはまったく精彩がなかった。

 

ここ数年、清水は札幌を苦手としているところがあるので、そういったメンタルな点もあったのかもしれない。

 

しかし、僕らも、1対7で負けることはあっても、8対0で勝つことがあるとまでは思っていなかったんだから、やはりサッカーというのは怖いものだと思った。

 

しかし今回の勝利を喜びすぎてもいけないんだろう。次節はホームとは言え、首位のFC東京が相手だ。ドームなので、戦う環境としては、両チームにとってイーブンだろう。今日の試合に比べれば、FC東京のハイプレスはかなり厳しいはずなので、まったく違った試合になるはずだ。

 

各選手が考える時間も短く、プレイさせてもらえるスペースも狭い中で、どう勝ち切るか。采配もあるが、個々の選手のスキルの戦いになるのかもしれない。ぼんやりとしたビルドアップを徹底してプレスで奪われ大敗した川崎戦のような必敗パターンだけは避けてほしい。

 

らいかーると氏曰く、

 

「独力で時間とスペースを生み出せる選手、周りの選手に時間とスペースを与えられる選手や、チームが手にした時間とスペースを無駄にしない選手が、上手い選手なのです。」

 

ジェイ、チャナティップ、福森あたりの顔が浮かぶ。彼らがどこまで、永井、オリベイラ、高萩、東、橋本、三田あたりより気力、体力、技術で充実していられるかだ。

体力、気力、技術力をあげての総力戦になる。

 

 


【公式】ハイライト:清水エスパルスvs北海道コンサドーレ札幌 明治安田生命J1リーグ 第23節 2019/8/17

 

 

  順位 勝ち点 勝数 分け数 負け数 得点 失点 得失差
第23節 6 35 10 5 8 39 28 11