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ビッグ・ドナルド?の日々(トランプのアメリカ)

2017年2月24日(金)12℃ 晴れ時々曇

 

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1時間ぐらいかけて、ざっと、メディアを眺めていた。今日も相変わらずトランプ関連記事が多い。オーウェル1984年が随分読まれているようだけれど、たしかに、メディアから毎日吐き出されるトランプのイメージ洪水を浴びているのは健康的じゃない。

 

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そんなニュースの中で、一念発起して、トランプ断ちをしてみたという、ニューヨークタイムスのテクノロジー欄のコラムが面白かった。Farhad Manjoo名義。

 

https://www.nytimes.com/2017/02/22/technology/trump-news-media-ignore.html?ref=todayspaper

 

 

確かに、新聞を見ても、テレビやラジオをつけても、ニュース、ドラマ、挙句の果てにスーパーボウルグラミー賞を見ても、トランプだらけだ。

 

世の中にはもっと重要なニュースがあるはずだ。それを見逃しちゃいけない。シリア内戦の問題だとか、ブラジルの経済状況等々。

 

しかしやってみてわかったのは、それがかなり難しいことだったと。

 

『トランプ以外のニュースを見つけても、そのほとんどがトランプニュースが挿入されるので、トランプ断ちをするというのは、喩えて言えば、フルーツ入りケーキや、ナッツ入りケーキを、フルーツやナッツ抜きで食べようとするようなものなのだ。』

米国大統領というものは、そこそこ、話題の中心になるものだともいえる。しかし今のトランプほどの有名人はかつて存在しなかった。大統領を抜きにしても、過去の有名人マイケル・ジャクソン、モハメッド・アリ、アドルフ・ヒットラーあたりまで入れても、このダントツさは変わらないと彼は言う。

 

インターネット関連コラムらしく、この現象は、ソーシャルメディアと既存メディアの相互関係のポジティブフィードバックによって相当嵩上げされている可能性が大という見立てをしている。それはそうなんだろうと思うし、自分の実感にも即している。

 

インタネット経済を対象とするコラムらしく、ここで、Earned Mediaを測定するMediaQuantという会社の分析の話題になる。この会社は4年前から始めた独自の分析枠組を使って、メディアとしてのトランプの価値の推定を行っている。

 

話半分としてもなかなか面白い。

 

そもそもEarned Mediaってなんだ。曰く、露出のために、広告料を払っていないすべてのメディアカバレッジだという。自分でお金を払ってメディアに露出していない、だから、そもそも自分の力で、世の関心を引いている対象という意味らしい。

 

Earned Mediaのドル価値はこんな風に計算される。


最初に、ブログ、ツイッターからニューヨークタイムスに至るまであらゆる媒体スペースで、特定のブランドや個人について行われたすべての言及を数え上げる。

 

次に、この露出を、すべて広告料を支払ってやったならいくらかかるのかを推定するのだという。作業的には膨大な話だが、一応、ちゃんとしたロジックは通っているようだ。

 

2017年1月のトランプ氏はこの会社の調査史上での新記録を達成したらしい。

 

単月でのトランプのメディア露出の媒体価値は8億1700万ドルだった。

 

過去4年間で、個人としては最高の数字だった。

 

ちなみに過去4年間のオバマ大統領の月額のEarned Media価値は2億ドルから5億ドル。

 

ヒラリー・クリントンは去年の7月の4億3000万ドルが最高額だった。

 

1月のランキングを見ると、ヒラリーは2億ドル、スーパーボウルを制したQBのTom Bradyが3800万ドル、プーチン大統領が3000万ドル。そして1000位の有名人がMadeleine Stoweで1,001ドル(笑)

 

世界が今ほど繋がっていなかった時代の有名人と、トランプを比較することにどんな意味があるのかはわからないが、一つだけ確実なことがある。

 

ソーシャルメディア、既存メディアのループの中に囚われていると、トランプ氏の顔がいつも頭の片隅に現れるということだ。

 

そうだ。やっぱり本を読もう!特に古典や歴史を!…と思ったのが今朝一番の出来事だった。1984年かな、最初は。

 

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一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫) | ジョージ・オーウェル, 高橋和久 |本 | 通販 | Amazon