FOMOって何?Mindfulnessって何?
行きつけのスタバで、バリスターから突然、「昨日のあれ観ました?」と聞かれたらちょっと衝撃かもしれない。ニューヨークタイムには、そんなエピソードがあった。
http://www.nytimes.com/2015/03/29/style/unplugging-without-fomo.html?ref=technology
アメリカの新聞を読むことの面白さは、新しい現象を知ることだけではない。むしろ新しい言葉遣いを知るところにその神髄がある。
このUnpluggin without fomoという記事の中で、最近よく目にするようになった二つの新語が使われていた。
FOMOはFear of Missing Outの略語。見逃す不安。ソーシャルメディアの中で、旺盛に交換されるゴシップを見逃して話に乗り遅れる不安だという。
もう一つは、Internet-Meme。Memeといえば、動物行動学者のリチャード・ドーキンズが言った遺伝によらず模倣によって伝えられる情報単位というようなことはうっすらは知っていたが、最近の文脈では、Internet-Memeはインターネットを通じて、広がる情報のことを言うらしい。
ところで、バリスターの「あれ」は何だったのだろうか。Netflixの人気番組、House of Cardsを見たかって話だった。
Internet-Memeとして拡散されるゴシップなんて知っている方が文化的じゃないという雰囲気が出てきているというようなコラム。
それと最近の瞑想ブームをひっかけて、Mindfulness(気づき)ということの重視は、結局、常に、表層的に繋がることの精神衛生上の不健全さに対する反作用だというような話。
仏教から派生したMindfulness瞑想が、シリコンバレーあたりで大人気らしい。合理的に加速度を増す米国企業社会というもののある意味辛さの反映なのだろう。常にポジティブに前向きに走ることを是とする文化なんてまっぴらだ。
仏教の持つ精神性や、全体性も、米国合理性によれば、一種のリラクシングメソッドに還元されてしまう。とことん表層を走る文化というものは、面白いが、逆に息苦しいんだろうな。