21世紀ラジオ (Radio@21)

何かと気になって仕方のないこと (@R21ADIO)

Z世代 Generation Z

行きつけのスタバが大学キャンパスの近くにある。日曜日というのに、外国人、もうすぐ入学シーズンということもあり、母親連れの新入生とにぎわっている。大学町の持つ雰囲気にはたまに触れたくなる。

日本もアメリカも世代論というのが大好きなようだ。

最近、日本でどんな世代論がはやりなのかは、世代論好きではない僕は全くフォローアップしていない。

ニューヨークタイムスのJob Marketで新しいG世代の登場と、それに対応した採用対策のような、将来を踏まえた、「近視眼的」なコラムが載っている。

内容の当否はともかく、アメリカの世代論を整理してくれていて便利だ。

http://www.nytimes.com/2015/03/29/jobs/make-way-for-generation-z.html?hp&action=click&pgtype=Homepage&module=mini-moth®ion=top-stories-below&WT.nav=top-stories-below

旧世代(Traditionalists);1945年以前の生まれ。(70歳以上)
ベビーブーマー;1946年から1963年生まれ(69歳から52歳)
X世代;1964年から1979年生まれ(51歳から36歳)
Y世代(”millennials”)1980年以降生まれ(35歳以下)

X世代生まれの筆者がY世代の登場に気づいたのが、2005年。セミナーで彼が講演した企業で働くためのストリートスマート術(官僚主義、社内政治の対処法)などに全く無反応だった。大人になりたくないという心理と、すぐに意味のある仕事につく資格があるという自信の共存。自分の意見を言うことをいとわず、現状を変えたいという希望。そして8000万という数にものを言わせて、その後の社会を動かしていった。

Y世代だけでも持て余していた経営者層は、次の新世代ジェネレーションZの登場に直面していると彼はいう。Z世代は90年代から2000年代初めにかけて生まれた現在20歳以下の若者たちだ。

どうもこの世代はその前のY世代(Millennials)とも毛色が違っているという。

Y世代と比べて独立志向が強い。読んでいてここで驚いたのが、2015年の人口調査でY世代の3分の1近くが両親と一緒に住んでいるというのだ。これに比べて、米国経済が「順調に」回復している中で成長している彼らには、独り立ち志向が強いという。さらにテクノロジーに強いこの若者たちは、オンライン内だけの交流よりも、対面の交流を指向する傾向が強い。若いころから感情教育もしっかりと受けている。ソーシャルメディアのおかげで、世界中の友人とコミュニケーションをしているので、資質としてグローバルな環境で働くことに抵抗がない。

人種的多様性も強い。

この世代の登場を先回りして、商売に繋げようとする人も当然登場し、早々とZ世代コンファレンスを開催している。こうやって、先回りして、企業の雇用についての危機感をあおっていくのだろうと、読みながら苦笑してしまう。

記事自体もそのあたり、淡々と伝えるだけで、取り立てて批評性があるわけでもない。

そこで描かれる中学生たちは、おそろしくポジティブである。このコンファレンスに登場する若者たちは、自分のコミュニティや未来に対して積極的な役割を果たそうとやるき満々であり、情熱に満ちていると。

次の経済社会を担うこの世代の動向から目を離せないという内容だった。

こういった世代論と、きれいな整理はどうも苦手だ。経済社会の表面だけがどんどんきれいごとになっていき、多くのどろどろしたものが内向していくような嫌な感じ。

まあこうやって物事を皮肉に見るようになったというのは年齢のせいかもしれない。なにせ、老いゆくBaby Boomerの片割れだから。

そんな気持ちで回りを見ると、Z世代に相当する若い女性の大学生が、スマホのアプリ開発の本を読みふけっていたり、Evernoteなどの新しい生産性ツールの批評をしている。

自分が時代の中心からどんどん外れて行っていることだけは確実で、そのことを冷静に意識するという点では、たまに世代論も読んでおく必要がある。それがどれだけ、浅薄だったとしても。