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21世紀ラジオ (Radio@21)

何かと気になって仕方のないこと (@R21ADIO)

サッカー:Blatter会長はサバイバルのプロ!?(Simon Kuper)

FIFAの腐敗捜査が日々大々的に報じられる。さすがに、Blatter会長もこれまでかと思いたくもなるが、実は、そんなにことは簡単ではないというのが、長年、サッカーといえば、僕が頼る最大のReference PointであるSimon Kuperが何を言っているのかを読んでみた。

 

http://static.guim.co.uk/sys-images/Sport/Pix/columnists/2011/6/3/1307133573796/Sepp-Blatter-Fifa-Zurich-007.jpg

 

きわめて、現実的かつ、「悲観的」だった。

 

http://www.ft.com/intl/cms/s/0/a52d2b42-048e-11e5-adaf-00144feabdc0.html#axzz3bLCu9b90

 

チューリッヒからの報道を観ているけだと、まるで、悪の枢軸国家の待望の崩壊のような大騒ぎである。に米国司法当局に協力したスイス警察による要人逮捕と、大々的家宅捜査。

 

完全に抜き打ちだったようで、FIFAツイッター公式アカウントもイギリスの名選手Paul Gascoigneなどの誕生祝をツイートしたあと、数時間沈黙を保っている。

 

FIFAの万年会長、Sepp Blatterもこれほどの脅威にさらされたことはない。

 

しかし結局、彼の体制は生き残るだろう。

 

旧体制が崩壊し、0から新しい清潔な新体制が生まれるとか、賄賂の支払が証明されたらロシアやカタールでのワールドカップ開催が見送られるというようなことを期待するのはあまりに楽観的。

 

権謀術数に長けたマキャベリズムの権化Blatter氏はこのスキャンダルでもうまく立ち回る能力がある。

 

楽観論は、アメリカのFIFA攻撃とIOC攻撃を比較して、クリーンアップが進むとみている。

 

2002年のソルトレークシティー冬季オリンピック招致をめぐる収賄事件でもFBIの捜査が行われ、米国議会公聴会も開かれた。IOCは米国スポンサー離れを恐れ、体制改革を自ら行った。

 

今回は新しい司法長官attorney-generalのLoretta Lynchが改革の旗を振る。

 

http://cloudfront.rcnradio.ennovva.com/sites/default/files/styles/418x281/public/noticias/loretta_lynch_600_afp.jpg?itok=6nU1NQpx

 

彼女がこれを推進することはオバマ政権の意図にも適っている。

 

議会説得があまりうまく行かない大統領は、とりあえず自分ができることをやろうとしている。

 

キューバとの国交回復、米国警察改革、FIFA調査である。コロラド大学の政治学者Roger Pielke Jrは外国人による収賄事件の捜査をアメリカの司法当局が実行することが大向う受けすることはIOCの時で実証済みで、今回もそうなるだろうと。

 

Roger Pielke Jr.'s Blog

 

将来は、FIFAも米国のことを気にせずにはいられなくなるだろう。

 

今後はFIFAの役員たちも、賄賂を米国の銀行を通じて送金するなどという間抜けなこともしなくなるはずだ。

 

Lynch長官の攻撃が可能になったのはまさにこの送金という場面だった。

 

Blatter氏はこの4年間米国を訪れていない。おそらく今後も、避けて通るはずだ。これに比べて、彼は米国以外ではどこでも歓迎されている。

 

米国は9名のFIFAの理事 と5名のスポーツ関連経営者を告発してはいるが、スキャンダルは彼のところまでは及んでいない。

 

米国政治学者のPielke氏曰く「問題は彼らのうちの誰が米国の証人に対応するかである。司法当局は、大物を差し出せば、よりよい取引を与えると持ちかけるだろう。ドミノ倒しは終わっていない。」

 

当然、FIFAの内紛も生じるだろう。

 

Jens Sejer Andersen(デンマークのスポーツ機関Play the Gameの国際ディレクター)曰く、

 

FIFAにとってもっとも目の前の危機は、ある程度の内部崩壊である。」

 

さらにスイス議会は、民間の汚職に刑事罰を加えることを議論しはじめている。そうなれば、スイスはFIFAにとって居心地の良い場所ではなくなる可能性もある。しかしながら、それでも、Blatter氏はうまくやっていくだろう。

 

彼は世界の209か国のフットボール協会中で人気がある。金曜日の会長選でも、5選を疑いもしない。選出されれば、彼は改革を阻止し続けるだろう。

 

フットボールの世界の多くのパワーブローカーたちも、FIFAの改革に一切興味を示さない。

 

 

ロシアのプーチン大統領、アジアサッカー協会(Asian Football Confederation)のヘッドで、遠い先の話ではあるが、FIFAの次期会長候補でもあるクウェートのSheikh Ahmadはサッカーの世界での超大物である。

 

両者ともに透明性には特段の興味を示さない。

 

変化を求める西側諸国はFIFAの中の一つの陣営にすぎない。

 

西側のスポンサー企業やテレビ局も、FIFAビジネスを失うことを恐れて、決して改革を強くは後押ししないだろう。

 

スイスの連邦司法当局の別の調査は、ロシアとカタールのワールドカップにおける収賄の可能性を捜査している。

 

これについてはなんとBlatter氏自身がスイス警察に通報をしている。

 

「このあたりが彼の抜け目のないところだ。しかし連邦司法当局が何かを証明するのはかなり困難だろう。」

 

(Eric Martin Transparency Internationalのスイス支局長)

 

何人かの腐敗したFIFAの理事が犠牲になるかもしれない。

 

しかし西側の改革者たちも世界でもっともプレステージの高いスポーツイベントからプーチン氏と強力なイスラム国家を締め出す気は毛頭ない。そうなればもめごとはスポーツの世界でとどまらなくなってしまうからだ。

 

http://fcsaiwai.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2015/04/03/1030_1.jpg

 

世界をサッカーを通じて一つに統合するというBlatter氏の理念によりノーベル賞を受賞するというのが彼の夢だ。

 

これはいまのところかなり見込み薄だ。

 

しかし何とも言えない。

 

なんといっても、彼はサバイバルのプロなのだ。

(以上)