podcastの時間:Podcastの市場データ(PRC)
ポッドキャスティングという新しいメディアの勃興を感じるには、番組を聴いたり、番組を聴いたリスナーの意見を聴くのが一番だとは思うが、いわゆる市場調査会社の情報を聴くというのも、現象の輪郭をとらえるには便利だ。Pew Research Centerの調査を読んでみた。
2014年秋に、ポッドキャスティングというメディアは画期というべき瞬間を迎えた。1999年に起きたボルチモアのメリーランド高校の女子高生Hae Min Leeの殺人事件の再調査を行った、シリアルという番組のストリーミング数やダウンロード数がiTuneの歴史上、最速で500万件に達したのである。
WBEZのThis American Lifeシリーズのスピンオフ番組である、Serialの成功が明らかにポッドキャスト人気の新しいピークを示してはいるのだが、PRCのデータによれば、これ以前の2年間にもこのメディアは着実に聴取者数を増やしていた事実がわかる。
技術進歩、とりわけ自動車の中での視聴がどんどん簡単になっていったことに加えて、スマートフォンとモバイル端末利用の急激な成長によってポッドキャストに対する関心が上向きになったのである。
ポッドキャスト消費の聴取者数の拡大とその上昇トレンドはあらゆる尺度から見て明らかである。
具体的には、ポッドキャストを視聴しているアメリカ人の比率、一般認知度の水準、提供されているポッドキャスト数やそのダウンロード数などである。
2014年におけるポッドキャストの堅調な成長を示す別の動きとしては、パブリックラジオの世界だけでも、3つの新しいポッドキャストネットワーク(放送局)がスタートしたことがある。
PRXによるRadiotopia.(2月)
PRIによるSoundWorks(5月)
APMによるInfinite Guest (8月)
Podcast Listenership(ポッドキャストの聴取者数)
過去1か月にポッドキャストを聴いた聴取者のアメリカ人全体に対する占める比率は、2015年1月付けで、2008年以降で、9%から17%とほぼ2倍になっている。
Edison Researchはさらに12歳以上の米国人の33%が少なくとも1本以上のポッドキャストを聴いているという結果を発表している。
Podcast Awareness(ポッドキャストの認知度)
12歳以上のアメリカ人のポッドキャストに対する認知度は2006年に比べて2倍以上になっている。2006年にニールセンは、認知度を22%と測定した。ポッドキャスティング全体の認知度は緩やかなペースで増加している。2010年に45%だったものが、2015年初めには49%。
Podcast Hosting and Downloads(ポッドキャストホスティング数とダウンロード数)
ポッドキャストの年間制作本数の数字は公表されていないが、業界最大手の制作会社の一つであるLibsynが過去3年間のホスティング数やダウンロード数の数字は着実に上昇していることを公表している。
ポッドキャストを聴く方法としては、モバイル端末経由が次第に好まれてきている。Libsynは既に、2014年のポッドキャストダウンロード数26億件のうち、63%がモバイル端末経由で行われていることを記録している。(2012年は43%)