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政治の時間:安倍首相米議会演説(FT)

 

早起きして、録画してあった安倍首相の米議会演説を見た。

www3.nhk.or.jp

 

 

スピーチを見ながら、ドキドキした。安倍首相を支持しているとかどうかという次元ではない。

 

日本人が英語でアメリカ人に対するスピーチを行うということに対するドキドキ感である。

 

議員たちが拍手しているのを見ても、笑顔を浮かべているのを見ても、素直にスピーチがうまくいっているとは思えない。表面的に純粋な笑顔を浮かべながら、悪口、言ってるんだろうなあとか、気になって仕方がない。

 

日本人が英語でフォーマルなスピーチをするというのはそれほどストレスが強いのだ。

 

さて、このスピーチ日本以外ではどう受け取られているのかが気になるところだが、ダイレクトにニューヨークタイムスに行く前に、イギリスあたりから見てみよう。ほどよい距離感かもしれない。

 

検索してみると、ウェブ上で、このイベントが大きく取り上げられているわけでもなかったという点は押さえておきたい。

 

FTは安倍議会演説、謝罪の一歩前で止まるというタイトル。

http://www.ft.com/intl/cms/s/0/099eb01a-ee86-11e4-88e3-00144feab7de.html?siteedition=intl#axzz3YjJjPuec

 

Robin Harding in Tokyo and Geoff Dyer in Washington

 

第二次世界大戦において自由を守るために亡くなった米国戦没者について感情に訴える発言はあるが、謝罪の手前で止まったと報じている。

 

パールハーバーやバターン死の行軍、太平洋戦争の開戦については言及。

 

保守的ナショナリズムが、北東アジアやたびたびワシントンにおいても不安視されている安倍氏だが、その議会円雑も直接の謝罪にはいたらなかった。

 

議会演説は、中国の台頭によって気運が高まった日米同盟強化を目的とした1週間に及ぶ安倍訪米の仕上げ。

バラク・オバマは、より信頼できるパートナーとなった日本の首相に対して、最大の歓迎を示した。

 

日米による密接な軍事力の共同利用に関するガイドラインの公表等が行われる中でも、引き続き歴史問題に対する安倍首相の発言は、米国内およびアジアにおいて注視されることになった。元慰安婦を含む韓国人グループが議会外部で反対運動を行っていた。

 

安倍首相も「我々の活動がアジア諸国の人々に苦しみをもたらした。」と発言し、先の首相たちの戦争問題に対する公式の発言を踏襲した。

 

“History is harsh. What is done cannot be undone. I offer with profound respect my eternal condolences to the souls of all American people that were lost during World War Two.”

 

「歴史は過酷である。ひとたび行われたことをやり直すことはできない。第二次世界大戦で亡くなったすべてのアメリカ人の人々の魂に対して深い尊敬の念とともに、私の永遠の哀悼をささげる。」

 

 

もとより、安倍氏が外国の議会に対して土下座をする(prostate himself)可能性は全くなかった。

 

しかし、昨年、豪州で行ったスピーチに続く今回の議会演説は、歴史的記憶に対する彼の発言の一つのパターンを示している。安倍氏は日本の敵国の軍事的損失に対して自責の念と深い後悔の念を表する。しかし日本の行ったことに対する批判、謝罪することに対してはあまり積極的でない。

 

今回スピーチは、8月に予定されている戦後70周年に向けての、安倍氏の発言に対する疑問を一層強めることになった。日本の「植民地支配と武力侵略」に対して前政権が行ってきた謝罪の度合いが薄まるのかどうかが注目されている。

 

 

安倍氏が戦時中の日本の行動に対してあまり語らなかったことを、批判する米国政治家もいる。

 

「歴史的正確性は当然、地政学的安定性の観点からも、日本政府はより前向きな発言をすべきである。」

 

と共和党上院議員で、大統領候補であるMarco Rubio。

 

しかしながら、一方で、米国は、長年脆弱な政権が続いた後に、決定力のあるリーダーが日本に生まれたことを歓迎している。

 

ホワイトハウスのシニアな役人であったDouglas Paalは、安倍の元で行われた22の新しい施策の中で、米国は18については気に入っていると発言した。

 

安倍氏は議会演説の中でTPPは、経済を超える重要性があると発言した。

 

「TPPは我が国の安全保障の問題でもある。TPPが持つ長期的な戦略的価値は巨大である。」と発言した。

 

この発言はオバマ大統領に対して速いスピードでの交渉権限を与えるかどうかに対する共和党の疑問を払拭する可能性がある。

 

議論が激しく対立する日本農業の構造改革を進めることを誓うなかで彼は日米の貿易交渉の対立も解決されつつあると述べた。

 

(記事以上)