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理想の人生:村上春樹 走ることについて語るときに僕の語ること

久しぶりに村上春樹の文章を読んだ。

随分前に買って、ベッドの横に積んであった文庫本。

「走ることについて 語るときに 僕の語ること」

 

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彼の小説も当然嫌いじゃないが、彼が、自分のこと、すなわち、書くということについて語るときの文章が好きだ。

 

ハワイの風の素晴らしさを語るところ、チャールズ川のまわりを走るときの思い、50代(執筆当時)になっていることへの軽い違和感等、引用したい場所はたくさんある。

 

別の本でも何度か触れている、彼の作家になってからの毎日の規則的な生活についての文章が一番好きだ。何の変哲もない文章なのだが、読むといつも「理想的人生」という言葉が頭に浮かんでくる。

それはこんな文章だ。

「朝の五時前に起きて、夜の十時前には寝るという、簡素にして規則的な生活が開始された。一日のうちでいちばんうまく活動できる時間帯というのは、人によってもちろん違うはずだが、僕の場合のそれは早朝の数時間である。その時間にエネルギーを集中して大事な仕事を終えてしまう。そのあとの時間で運動をしたり、雑用をこなしたり、あまり集中を必要としない仕事を片づけていく。日が暮れたらのんびりして、もう仕事はしない。本を読んだり、音楽を聴いたり、リラックスして、なるべく早いうちに寝てしまう。おおよそこのパターンで今日まで日々を送ってきた。」

こういう生活の中で、彼は人生の優先順位をつけていくことになる。

「まわりの人々との具体的な交遊よりは、小説の執筆に専念できる落ち着いた生活の確立を優先したかった。僕の人生にとってもっとも重要な人間関係とは、特定の誰かとのあいだというよりは、不特定多数の読者との間に築かれるべきものだった。」

東京も最近は、4時になると、空が明るくなってくる。

この季節になると、毎年、理想的人生について考えることが多くなるのは単なる偶然ではないような気がする。

 

 

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