Toni Morrisonの声が聞こえる:New York Times
語られる言葉が大切なのは当然だ。しかしそれがどんな声で語られるかもそれと同様に、あるいはそれ以上に大切かもしれない。
正しい言葉が正しく伝わるわけではない。正しい言葉が正しく伝わるためには、思わず耳を傾けたくなる声で語られる必要があるのかもしれない。
正しくない言葉を強く伝える声があるのも現実である。
心弱い状態の人に正しくない言葉を伝える力のある声があるのも事実だ。残念ながら、私たちのまわりにはそういう例で満ちている。
正しい声というものがあって欲しいと思うのは、希望に過ぎないのだろうか。
Toni Morrisonというアメリカの作家がいる。黒人女性として、ノーベル文学賞を受賞している。残念ながら一冊も読んだことがない。米国文学の分野では、気まぐれな読者に過ぎない僕は、名前だけは知っていながら、手に取ることのない作家のひとりだった。
ニューヨークタイムスで、Toni Morrisonが新作のAudio Bookを自分の声で録音しているビデオを見た。
Toni Morrisonの文章を読む前に、声を聴くことになった。
低く、喉にからまるような低音で、ゆっくりと語られる物語。黒人文学という壮大な文学世界に誘いこむミューズの声だ。
ニューヨークタイムスマガジンのRACHEL KAADZI GHANSAHの長いToni Morrison論をゆっくり読みながら、今度こそ、Toni Morrisonの本(オーディオブック?)を手に取ってみようと思った。
http://www.nytimes.com/2015/04/12/magazine/the-radical-vision-of-toni-morrison.html?ref=books