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21世紀ラジオ (Radio@21)

何かと気になって仕方のないこと (@R21ADIO)

Kanye Westをサウンドクラウドで聴きながら、今日もまたJay Zの話

サウンドクラウドで、Jay Zから派生して、Tidalの出資者の一人でもあるKanye Westを聴いている。曇り空の中で聴くラップ。

 

ここのところ、Jay Zの記事をChain-Reading中だ。

 

DigidayのウェブサイトにもTidalの記事。複数の記事を読むことの良さは、少しずつ、取材の違いもあって、重複しない事実がつみあがってくることだ。矛盾とか対立とかいうより、複数のメディアによるカバーは補完性が高いと思う。

 

http://digiday.com/brands/tidal-prepares-wash-music-streaming-industry/

 

Spotify, Pandora、Appleと既に大混雑状態のストリーミング市場だが、小ぶりなTidalも、単に、一人のアーチストの虚栄のなせる業と単純には片づけるべきじゃないだろうと。

 

たしかに、ゴールドマンサックスを雇って、IPOを目指すSpotifyの現在の時価総額は一声80億ドルだとか。そこで手にする資本力に、有名とはいえ、一人のアーチストが立ち向かえるのかという声は当然ながら、かなり大きいようだ。

 

Tidalが実際にアーチストとどんなディールを結んでいるのかという点に、さすが、デジタル広告専門サイトのDigidayは関心を向けている。

 

Tidalによれば、一定期間の間、何人かのアーチストと独占的First-Window契約を結ぶのだそうだ。これによって他のデジタルストリーミングサービスに先立って、これらのアーチストの最初のリリースをユーザーが視聴することが可能になるわけだ。

 

中でいろんな人がインタビューに応じている。

 

ビルボードの総編集長 Joe Levy

「たしかに差別化要因ではあるが、長くは続かないだろう。ただ重要なのは、Tidalのこの動きによって、アーチストや音楽レーベルが何かと不満を持っているSpotifyのストリーミングサービスへの交渉力を与えることになる点だ。」

 

 

このあたりは、1919年にチャーリー・チャップリン、メリー・ピックフォードなどの俳優や監督が主体となって作った映画会社のユナイテッドアーチストを想起させると。

 

同じく、Tidalには17人の有名アーチストが参加している。

 

(今聞いているKanye Westもその一人。)

 

1919年当時、映画配給会社が、UAに対して、こんな痛烈なコメントを残したという。

 

“The lunatics have taken over the asylum.”

 

「狂人が精神病院を買収した。」

 

たしかに、アーチストによるというところが、Tidalを他のサービスと明確に差別化する要因ではある。

 

8億ドルといわれるデジタル音楽市場だが、成熟市場となっていることからも、Tidalが成功するには、他のアーチストのロングテールをとらえる必要がある。

 

 

サービス料はというと、高音質の配信サービスに関しては月額19.99セント、通常の音質の場合は、月額9.99ドルだとか。

 

高音質の配信を求める層が存在するのは事実だが、それがどこまで広がるのかと業界専門家に対するインタビューなせいか、楽観的な声は少数派だ。

 

アーチストとの契約は開示されているものはないが、そこは蛇の道は蛇、匿名を前提の関係者によれば、着手金プラス売上の数パーセントが提示されているようだ。しかし、ストリーム毎の収益シェアと認知度のどちらが長期的にみて普通のアーチストにとって大事かという話になる。

 

この記事では、有料会員数についてSpotifyが1500万人に対してTidalは3万5000人と推定している。まさにゴリアテとダビデ状態。

 

会員数やライブラリーの違いから、Tidalが小さなニッチを獲得することはあっても、Spotifyのまともな競合になるとは思えないというのが消息通の意見の最大公約数のようだ。

まあ、しかし、ブルックリンのプロジェクトと呼ばれる貧

困地域で生まれ、ドラッグディーラーまでやって生き延びて、どん底からスーパースターに這い上がったJay Zの目的は、そんな単純なMBA的計算の向こうにはないのかもしれない。

 

音楽のために、アーチストがフェアな扱いを受けることができるようにするためにという掲げた理念が今後どうなっていくのかを、追いかけてみようかなと思っている。すると、今後、消費者は音楽をどんな風に消費していくのかが見えてくるかもしれないと、無料のサウンドクラウドでふつうに満足している僕は考えているのだ。