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ジェラルド・カーチスさんが欧米メディアの危機報道を批判

「代議士の誕生」など日本政治の分析で有名なジェラルド・カーチスさんがコロンビア大学で行った日本の現状に対する欧米のメディアのカバレッジがフェアとは言えないという内容のスピーチを見た。

http://twurl.nl/ajneze

欧米メディアは、現政権の危機対応に対して、きわめて批判的であるが、今回起こった危機の状況と緊急性を踏まえれば、民主党政権の対応は、かなり妥当なものであるという内容。

特に、情報開示については、枝野さんに代表される民主党政権の対応はかなり誠実かつ率直だと思われると述べている。彼らは、自分たちが知っている情報についてはできるかぎり国民に伝えようとしている。

問題は、自民党政権時代につくりあげられた政府、監督官庁、東京電力の慣性にある。

菅首相は、その隠蔽体質を批判し、統合危機管理本部を創設している。これは、国民に対して、誠実に情報を提供しようというあらわれと。

危機発生後の数週間。ツイッター中心に発信される、既存メディアへの不信感の影響を受けて、欧米メディア中心に今回の危機報道をフォローしてきた。

たしかに局面局面で、欧米メディアの持つ癖や、紋切り型が見受けられた。

山形浩生さんがクーリエ・ジャポンの今月号で批判していたように、英エコノミストの報道の中にも、今回に関する限り、奇妙な報道も多かった。

ぼくたちは、健全な判断をするためには、外部の視点を必要とする。その意味で、記者クラブ的バイアスを受けない視点というものには意味がある。しかし、外部の視点が持つバイアスも当然存在する。

その視点だけで現在のぼくたちの状況を判断するわけにはいかない。

どこにも逃げることができないぼくたちは、外部の視点、内部の視点の膨大な交通の中で、自分の意見、判断をつくっていかなくてはならない。

自分の頭で考えることが、今、試されている。

今は、それにふさわしい環境だ。自分の頭で考えるしか、この国難を乗り切ることはできない。それは個人も国家も同じだ。