21世紀ラジオ (Radio@21)

何かと気になって仕方のないこと (@R21ADIO)

ツイッターはインド政界もそわそわさせている模様

今日も、東京は快晴。地下鉄のキオスクで久しぶりに、インターナショナルヘラルド・トリビューンを買った。地下鉄の中で、読み始めると、なんとも、その総覧性が好ましかった。PCでも、WSJ、FT,NYTが読めるようになっているのだから、Redundantな気もするが、やはり、新聞紙というものの意味もある。ノートPCで英語メディアを読むと、やはり、そこは端末の特性上、かなり視点や読むという行為が狭まっていくことになり、ざっと眺めるという時の情報の歩留まりが悪くなる。疲労感が高まり、達成感が薄れる感じがしていた。

こうやって、又、紙ベースの新聞紙を、赤ペン片手に読んでいると、新聞紙というフォーマットのそれなりの良さが再確認できた。

Lydia Polgreenというニューデリーの特派員の、インドの新世代の政治家がツイッターを使って、政界にちょっとした波紋を巻き起こしているという記事が面白かった。

Politician's tweets have India in twitter.

政治家のつぶやきがインドをちょっとそわそわさせるという感じのタイトルなのだろう。

インドの政府が、テロ対策で、観光客に対するビザの要件を厳しくしているという現状に対して、若手政治家のShashi Tharoor(53歳)が、ツイッターで、

Dilemma of our age. Tough Visa restriction in hope of btr security or openness liberality to encourage tourism goodwill ? I prefer latter.

とつぶやいたらしい。

(我々の時代のジレンマ。セキュリティの改善のための厳格なビザ管理か、観光親善を奨励するためのオープンさか。ぼくはあとの方がいい。)

ところが彼は、普通のインド人じゃなく、元国連の外交官で、インドの議員である。たちどころに、グローバルに彼をフォローしている50万人近くの人のところにこのメッセージが伝わることになった。その後、インドの英字新聞には、すべて彼の発言が掲載され、微妙な問題に対して、政府の方針に反対の意見を表明したことで、批判の的になった。

世界では、既に、多くの政治家が、ツイッターを活用するようになっているが、インドはまだそんな状況にはなっていない。

インドの多くのエリート層も、こういったツイッターというものを正面からは受け入れていない。というよりも、これまで、統治するものと、統治されるものの間にあった階層を崩壊させることに対して拒否感を感じているのだ。

しかし、ツイッターを使いこなす、Tharoorさんの政治的成功を、インド政界も注視している。海外での経験が、どこまでインド国内政治に適用されうるのか。

はじめはツイッターなんかやっている暇はないと言っていた、Tharoor議員も、スタッフに説得されて、始めることにした。すると。

I suddenly realized it was both a broadcast medium and an interactive medium.

(ぼくは突然、これが放送メディアであると同時に双方向メディアであることに気がついた)

既存ジャーナリズムも、ツイッターが自分たちの既得権益を犯す存在であることから、批判的で、他の議員に利用させないような論争をしかけている。

こんな状況でもTharoorさんの方針は変わらない。

Twitter is a way of engaging the people to whom all politicians are ultimately accountable in the substance of our work.

(ツイッターは、すべての政治家がその仕事の実態について、究極的な説明責任を持つ国民の関心を得る手段なのだ。)

とりわけ、新しいツールによってネットワーク化されつつある世代が、今後のインド社会の方向性を決定していくという観点からは、Tharoorさんの率直さは大きな強みとなるだろう。

ただ、こんなツールだけで、上昇できるほど、インド政治は甘くはないという意見も多い。(以上)

というような内容だった。

世襲若手議員が、ツイッターは使わないと発言したとかいうのを誰かのつぶやきで読んだ。たしかに、ツイッターというのは、ある意味、誰にとっても恐ろしいツールだと思う。その若手議員のつぶやきなど聞きたくもないが、ひょっとすると、その怖さを彼は知っているのかも知れない。なんたって、三代目の筋金入りの政治家だから。