21世紀ラジオ (Radio@21)

何かと気になって仕方のないこと (@R21ADIO)

OS戦争、ただブログが書き続けられさえすれば

グーグルが自社ブログで、新しい携帯デバイスとして、拡大が見込まれている低価格のネットブックPC用のOSとして、グーグルクロームOSの開発を開始すると発表した。テクノロジー関連のブログスフィアでは、一斉に今後のグーグル対マイクロソフトの一騎打ちの加速をめぐった議論があらわれた。

ユーザーからすれば本質的なのは、コストとその信頼性と可用性だけだ。信頼性といっても、中断が大変な損失に繋がりかねない企業は別として、自分のブログもウェブメールも既に、グーグルやその他のウェブサービス会社のサーバ上に置きっぱなしの個人からすれば、つきつめれば、コストと、すべてウェブに置き去りにすることに対するちょっとした不安感ぐらいだろう。

実際、個人情報といっても、犯罪に巻き込まれそうなプライバシーを除けば、自分が過去に何を書いたかとか過去のファイルなど、先行きなくなって困るものというのはほとんどない。結局、今、この瞬間に、パソコンが立ち上がり、作業がすぐに開始できるかどうかだけだ。

自分にとっては、今回のOS対決というよりは、自分が依拠している無料のウェブサービス会社の経営が維持可能かどうかや、電力危機の方が気にかかる。

とはいえと、頭の中を整理するために、まず、グーグルが何を言っているのかを読んで見た。

グーグルブログで、クロームOSを発表
http://googleblog.blogspot.com/2009/07/introducing-google-chrome-os.html
グーグルクロームブラウザを発表してから9か月。すでに3000万人のユーザーがいるらしい。

個人がほとんどのリソースをインターネット上から取り込むようになっており、その状況をネットブックなど新しい端末の普及で、より強まると予想されるのに、現状のOSは、ウェブがなかった時代に設計されたものだ。そこで、自分たちは、9か月前に発表したグーグルクロームブラウザの延長で、グーグルクロームOSを開発したと言っている。

彼らは、OSが本来あるべき姿を再検討したのだ。

グーグルクロームOSはオープンソースの軽量級のOSで、当初はネットブック対応。今年後半にコードを公開。グーグルクロームOSを搭載したネットブックは2010年の後半に店頭に並び、オープンコミュニティとの協業も早晩開始する予定。

スピードとシンプルさとセキュリティを重視している。ユーザーインターフェースも最低限で、PCが立ち上がりさえすれば、あとはウェブ上のアプリケーションにすべておまかせという思想だ。

アプリケーション開発者にとっては、ウェブはプラットフォームだ。開発者それぞれのお気にいりのウェブ技術が利用可能。あたりまえのことだが、アプリケーションはクロームOSだけではなく、既存のウィンドウズ、マック、リナックスでも大丈夫。

開発過程で、ユーザーからの多くの声に耳を傾けたが、結局、ウェブ環境で快適かつ、安穏と、PCが使えればいいのだという、ぼくとはそんなに違わないフィードバックが寄せられたので、とにかく、それに対応したいと思っていると。

And any time our users have a better computing experience, Google benefits as well by having happier users who are more likely to spend time on the Internet.

「僕たちのユーザーのコンピューティング生活が快適ならば、ハッピーなユーザーはもっと多くの時間をインターネット上で過ごすことになるので、グーグルにもメリットがあるのだ。」

得意の補完財戦略だ。僕もエゴイスチックに、無料モデルの推進エンジンであるグーグルの企業的繁栄を心から祈っている。

さて、マイクロソフトには何ができるかだ。