象使いはシノポリが好きだろうか

1978年に、「風の歌を聴け」でデビューした村上春樹に、ぼくはすぐに夢中になった。当時大学生だったぼくは、その短く、Crispyな文体とその洒落た固有名詞と、その教訓的なフレーズにひきつけれた。とにかく夢中だった。そういった当初の熱狂は、薄れ、彼が力を入れ始めた長編小説には、どちらかと言えば惰性でつきあう感…